シリコンバレーテクノロジー 2015.10.07

すぐに効果が出る、大企業エンタープライズが今取り組むべきネットワーク対策

こんにちは。Nissho Electronics USAの新田です。

デジタルビジネス時代に向け、情報システム部門が取り組むべき事は多岐に渡ります。特に大企業では、新たな取り組みの費用対効果を直ぐに示すことが難しく、担当者は多くの悩みを抱えているかと思います。今回はその担当者が直面する課題に対する対処と費用対効果向上に繋がる、今すぐ取り組むべきネットワーク対策についてご紹介します。

ComputerWorldが選んだITリーダーが今後投資すべき重要分野TOP5

クラウド、モバイル、ソーシャル、アナリティクス等の第三のプラットフォームを活用した新たなワークスタイルが企業内で展開されるデジタルワールドに向け、次にあげる分野での投資が重要視されています。

  1. セキュリティー :標的型攻撃から企業を守る
  2. クラウドコンピューティング :オンプレから(ハイブリット)クラウドへの移行を進める
  3. ワイヤレス/モバイル展開 :働き方革命を促進することで企業運用の最適化を行う
  4. ストレージ:企業が有する膨大なデータを蓄積する
  5. ビジネスアナリティクス :それらデータを分析することで課題を見つけ対策或いは新たな収益モデル検討に繋げる

これらは全て、企業が今後ITを活用し、企業存続かつ更なる成長を遂げる上でどれも重要な要素ばかりです。

エンタープライズIT投資の現状

とはいえ、企業成長のためには積極的な投資は必要ながらも、収益性向上が急務な企業にとってはなかなかそこまで辿りつけない状況もあります。
グローバル企業の中には、危機管理ならびに企業競争力向上の為、スピード感を最重要視し前年比20%以上のIT投資を行っている企業も出てきているようですが、日系企業の未だ多くはIT経費横ばいか、コスト削減を強いられているのが現状です。

そこで、今すぐできることとしては、 現状の限られた予算かつリソースを最適化し、 少しでも無駄の排除或いは基盤の最適化を進めることが重要です。

エンタープライズIT基盤の最適化

ではどこに手を付ける事が、比較的短期で費用対効果を出すことができるのでしょうか?
一つは既存オンプレからクラウドへの基盤の移行。統合化に伴う運用基盤や人員稼働の最適化に繋がります。

或いは同環境をSoftware Defined化することで、更なる基盤の最適化を促すことも可能です。企業規模や方針により取組み方は異なれども重要な展開であり、既に取り掛かっている企業も多く比較的費用対効果が把握しやすい取組みです。

上記の他に、どこに最適化の可能性があるのでしょうか?これが、本日の話題である拠点間ネットワーク、WANにおける新たなネットワーク対策で、2015年米国エンタープライズ業界で急速に注目を浴び始めてきた市場です。

何故WANにおけるネットワーク対策が効果的か?

現在、企業WANでは専用線、IP-VPN/L2-VPNサービスや一部ブロードバンド等を利用しています。中にはLTE回線を活用する拠点もあります。

サービス毎に多様な値段・帯域・SLA等が設定されていますが、ネットワークは一度構築したらなかなか変更できないもの。最適な環境に最適なサービスを活用していますでしょうか?そして、その状況は、把握出来ていますでしょうか?

回線速度だけであればブロードバンド回線でも十分な状況も有り。セキュリティー対策さえとれれば、冗長性を考慮してもブロードバンドとLTE回線を活用することで従来のVPNや専用線サービスを置き換えることはできませんか?

クラウド時代、ダイナミックに変動する基盤環境やアプリケーションに最適化された通信環境をアジャイルに調整することは可能でしょうか?ネットワークは更に複雑化していくなかでそれに耐えうる環境は構築できていますか?

既存に構築している環境の改善により、上記課題解決が可能であり、これが、今後取り組むべきWANにおけるネットワーク対策、Software Defined WAN(SD-WAN)です。

SD-WANソリューションで展開できること

Software Defined Network(SDN)やNetwork Function Virtualization(NFV)というネットワーク業界におけるトレンドは聞かれたことがあるかと思います。
これらは一般的に、各種事業者にとっての取り組みが主流であり、エンタープライズはその恩恵は受けることはできる見込みですが、まだ本格的な市場展開までは時間がかかることが予想されます。

エンタープライズにとり重要な点は、アプリケーション・環境並びにサービスレベル全てにおいて自社利用状況に最適化したネットワーク環境を構築し、回線コストを最適化すること。加えて、導入・保守・運用をシンプル化し、リアルタイムモニタリングできることで最小限のリソースで運用が可能となること。これを展開できるポテンシャルをもつものがSD-WANとなります。

一般的なSD-WANソリューションで展開できる機能

  1. IT主導ではなく、各事業組織が求める品質かつアプリケーションに最適化されたサービス及びルーティング機能を提供
  2. 全ての回線にエンクリプションを提供することでのEnd to Endでセキュアなサービスを提供
  3. 導入・保守時の現地対応を最小限とし、ダッシュボードによるビジュアル化も含めた一極集中型の運用性を提供

現在、データセンターや企業拠点を複数有する企業は、その通信回線や導入・保守運用時の外注コストに年間IT予算の10%以上をかけていると言います。今、世の中に出てきているSD-WANという技術と製品を活用することで、同コストの年間30-50%近くを削減できるポテンシャルを持つとの意見も出てきています。

これらメリットを享受することで、ネットワーク基盤における運用性を高め、是非、新たな企業IT投資に繋げて頂ければと思います。

尚、日商エレクトロニクスでは、こうした既存のWANとSD-WANと組み合わせた使い方をハイブリッドWANとして訴求し、Viptela製品を中心にご紹介を行っています。是非、お問い合わせ下さい。

最後に

デジタルビジネス時代は、積極的なIT投資とスピードのある決断が企業の競争力を決めると言われています。SD-WAN展開によるコストの最適化のみならず、積極的なIT予算確保と投資を進めることはグローバル化が進む中、日本企業にとっては非常に重要なことであり、米国Silicon Valleyでスピードを体感する当社としては、是非、皆様のパートナーとして、最適なタイミングに最適な投資を行うための支援をさせて頂きたいと思います。

この記事を書いた人

この記事を書いた人

Manabu Nitta

1998年、日商エレクトロニクス入社後、 ネットワーク分野に関わる営業、マーケ、商品企画開発を経て2013年4月より3年間サンノゼ赴任。 2016年日本帰国後、日本法人設立前のNewRelicやZoomなどSaaSビジネス立ち上げに加え、自社ビジネスモデルの変革にも挑戦、マルチクラウド環境の設計運用簡素化に繋がるサービスビジネスの立ち上げを行う。 2022年4月より2度目のサンノゼ駐在となり、先進技術のみならず、オープンイノベーションをベースとした新たなる当社価値の提供、お客様との事業共創に向け活動中。

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