シリコンバレーテクノロジー 2016.06.22

3分でわかるFintech – Chat botが作り出す新しい世界

こんにちは。真次(まつぐ)です。2016年5月よりNissho Electronics USAに加わりました。

これから、ITに携わっている皆さん向けに、旬なシリコンバレー情報をわかりやすくお伝えしていきます。

さて、今回のテーマはよく話題になるFintech。聞いたことあるけど実はよくわからない!調べようと思っていたけどまだ調べていない?という方も多いのではないでしょうか?実は私もそうでした。今回はそんな方のための内容です。

  1. いまさら聞けないけどFintechとは?
  2. どれくらい盛り上がっているの?
  3. 注目されている技術は?
  4. 日本とアメリカの違いってあるの?

1.いまさら聞けないけどFintechって何なの?

FintechとはFinance(金融)xTechnology(IT)を掛け合わせた造語です。IT企業がITの力を活用して、既存の金融機関と協業、時には競合して新しい金融サービスが生まれるor改善されることを意味します。Fintechによってユーザーはこれまでにない新しい体験を享受することができようになります。

Fintechがカバーする範囲は非常に広く、個人資産管理(Personal Finance Management)、融資(Lending)、決裁(Payments)、投資(Investment)など大きく10個に分類されています。

※How we define & categorize Fintechより

個人資産管理(Personal Finance Management)

日本で有名な、マネーフォワードは、まとめづらい複数の口座残高を一括管理、食費や光熱費などのカテゴリに自動で分類・グラフ化する、新しいウェブサービスです。 一度登録するだけで自動で情報を更新するので、お金の管理の煩わしさを解消できます。 IT業界の方なら利用されている方も多いかもしれません。おそらく日本で一番利用されているFintechのサービスです。

家計簿は入力の手間があるため、続かなくて途中でやめてしまった経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。家計簿をつけることが目的になってしまっているケースもあります。 ITの力によって、お金の管理の煩わしさが解消されることで、ユーザーは本来の目的であるお金をどのように活用していくのかに時間を使うことができます。 投資分野であれば、専門家に手数料を払って受けていたアドバイスが、AI、BigDataを活用したWebサービスでより安価にアドバイスを受けられるなど各分野で新しいサービスが立ち上がりつつあります。

2.どれくらい盛り上がっているの?

Fintechへの投資は年々過熱しており、2015年は$14.4B(144億ドル)、昨年比約2倍となっています。2016年は、Q1(1月~3月)だけで$4.9B(49億ドル)と昨年の36%にあたる投資を集めており、さらに活発になっています。IT全体としてはダウントレンドに入っていると言われていますので、Fintechの盛り上がりは非常に強いと言えるでしょう。

※The Pulse of Fintech Q1 2016 Global Analysis of Fintech Venture Funding by KPMG & CB INSIGHTS より

日本でも2014年ごろから盛り上がりを見せています。 メガバンクは各社Fintechの特設チームを作り、シリコンバレーに人を派遣して常に最新情報を収集しています。

メガバンクの取り組み

先日、三菱東京UFJ銀行が大手銀行では世界初のMUFGコインという仮想通貨を来秋発行することが報道されました。これも銀行がFintechを取り込んだ活用事例です。

関連:三菱東京UFJ、独自の仮想通貨発行へ 一般向けに来秋

また、2016年5月にシリコンバレーで開催されたFintechイベント「 Finovate Spring 2016」でも日本の盛り上がりを感じることができました。 「Finovate Spring 2016」とは、FintechのStartup企業が1社7分の持ち時間で参加者(銀行など金融機関)に対して、製品・サービスの説明・デモを行う品評会のようなイベントです。

全体の参加者1300人に対して、日本人参加者が130人強と約1割を占めていました。アメリカのIT関連イベントで日本人が1割を占めることは非常に珍しいことです。参加者も、金融関係、SIer、広告代理店と様々な業種が幅広く参加されており、アメリカ以上に注目されていると言ってもいいかも知れません。

関連:Finovate Spring Best of Award

3.注目を浴びている技術は?

API, AI, Block chainなど様々ありますが、ここではChat Botをご紹介します。

Chat Botとは、1人以上の人間とテキストまたは音声で知的な会話をすることをシミュレートするコンピュータプログラムのことです。Facebook Messenger, Lineなどでロボットと会話すると理解してください。

では、Chat BotとFintechが結びつくとどんなことができるでしょうか? 以下は、Chat Bankというサービスのやり取りです。

Bot:おはよう。なにか質問ありますか?

あなた:今日、私の支払い予定はありますか?

Bot:ええ、あなたは明日$81の支払いがあります。 それを払っても口座残高は$328あります。 十分ですか?

あなた:はい。それでは$27を貯蓄用口座に 移してもらえますか?

Bot:完了しました。残高は$992です。今年$127増える予定です。いいですね。 あと$8増やして$1000きっかりにしますか?

あなた:お願いします。

Bot:承知しました。$1000ちょうどになりました。 残高は$295です。他になにかありますか?

このように、予定の確認、支払い、送金、アドバイスまでとChat Botと会話をするだけですべての作業が完了しています。Chat Botが各金融口座と連携して自動で対応してくれます。とても便利だと感じますよね。違和感ない対応ができるためChat Botと気づかない人もいるかもしれません。

関連:なぜ「ボット」は最も注目すべきトレンドなのか?

4.日本とアメリカの違いってあるの?

アメリカはMillennial 世代と呼ばれる2000年以降に生まれた成人あるいは社会人に世代が全人口の3割を超えてもっとも大きなシェアを占めており、Fintechサービスの多くはこの世代を対象にしています。また、若年層では銀行口座を持っていない人が多いことも特徴です。一方、日本ではご存知のように若者より老人が多いお国柄です。

日本とアメリカでは大きく状況が異なりますのでアメリカのサービスをそのまま持っていくのは従来のITサービスより難しいでしょう。しかし、このGAPにこそ各社のビジネスチャンスが眠っているのだと思います。

 

本日はここまでにしたいと思います。

最後までお読みいただきまことにありがとうございます。

 

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この記事を書いた人

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Yukiharu Matsugu

2016年4月よりNissho USAに着任。屋外ネットワークとコンピューティングが得意。ITがワークスタイルを変革できると信じて日々最新情報を収集中。サッカーと将棋が好き。

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