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Blog 05/01/2016 ディープラーニング | 人工知能 Team Nelco

サービスにおける人工知能の活用 – Salesforceにみる事例

ご存知のように、企業内でのデータ活用が叫ばれ、IoT、ビジネスインテリジェンス(BI)や、ビックデータ、人工知能がバズワードになっています。しかし、実際のビジネスの現場ではどのようにそれらを活用すべきか、分からないという読者は多いのではないでしょうか。

そんな中、注目すべき企業がSalesforceです。Salesforceはシリコンバレーに拠点を置き、CRM(顧客関係管理)のソリューションを中心にクラウドコンピューティングのサービスを提供する企業です。世界中で多くの企業に利用されており、日本でもトヨタ自動車や東急建設などの多くの大企業や中小企業、千葉市などの自治体が利用しています。

米フォーブス誌の「世界で最も革新的な企業」ランキングでは2011年から4年連続で第1位に選出されているように、ビジネスの現場に様々なイノベーティブなソリューションを提供しています。ビジネスの現場にITのソリューションを提供するリーダーである、Salesforceの動向を見ることは大きな意義があります。今回は、Salesforceのビッグデータ、データ活用に関する取り組みをご紹介します。

Salesforceのプラットフォーム Wave Analytics

Salesforceは、自社のデータ解析プラットフォーム、Wave Analyticsを提供しています。Wave Analyticsは、Analytics Cloudとも呼ばれる、データを分析・可視化するためのツールです。Salesforceの営業ツールや、顧客サポートツールと連携してデータを読み込みます。特別な訓練を必要とせずにデータの解析ができるようになっています。

データはグラフに表示され、周囲に配置されたボタンをクリックすることで、期間や地域などを簡単に変更できるようになっています。また、グラフの各項目をクリックすることで掘り下げた内容のデータを見ることができるため、驚くほど簡単にデータの詳細を調べることができます。

waveanalytics

また、スマートフォンやタブレットなどでダッシュボードが閲覧しやすいように、最初から意識して設計されていることが特徴です。オフィスの外でも素早い意思決定を行うことができます。また、スマートウォッチのApple Watchのアプリも提供しています。

Wave Analyticsは、今はまだビッグデータ分析を行う機能はありませんが、人工知能を活用したデータのさらなる分析や、予測の機能などを提供していくと考えられます。

Wave Analyticsの発表の半年後の2015年の5月に、Salesforceはビッグデータの解析技術を持つGoogle, Cloudera, Hortonworks, New Relic, Informatica, Trifactaとのパートナーシップを発表しました。

2020年までにデジタルデータが毎年40%増加すると予測されているように、今後扱うデータが爆発的に増えていきます。データが多くなり、また複雑化すると、グラフで表示して読み取ることも難しくなります。このため、ビッグデータ分析、人工知能を取り入れることが不可欠になるのです。

また、そもそも人間がグラフを読み取ってアクションを起こす前に、解析ツールがデータのパターンを読み取り、現象が発生する前に予測するような機能も期待されます。

簡単でわかりやすい例を挙げると、売上データの中から売上が伸びていてヒットの兆しがある製品を抽出したり、顧客情報から、将来ロイヤルカスタマーになりそうな顧客を抽出するなどがあります。

このようなCRMに人工知能の高度なデータ解析を導入する取り組みは、先日の記事人工知能をどうビジネスで活用するのか?シリコンバレーの注目のスタートアップ 10選でご紹介したWise.ioなどのスタートアップも取り組んでいます。

Salesforceは、人工知能の高い技術を持つ会社や、Salesforceのサービスに直接的に応用できそうな人工知能を使ったサービスを運営するスタートアップを買収し、自社のプラットフォームを強化する動きを見せています。

Salesforceの人工知能関連のスタートアップ買収

Facebook、Google、Microsoft、Twitterなどがスタートアップの買収や社内での研究などで人工知能に巨額の投資を行っていることは知られています。Salesforceも人工知能のスタートアップの買収を進めています。Salesforceが最近行った買収の中で、代表的なものをご紹介します。

1. 2016年4月 MetaMind

metamind-compressor

先日の記事人工知能をどうビジネスで活用するのか?シリコンバレーの注目のスタートアップ 10選 でもご紹介したMetaMindも、記事公開の3日後の2016年4月4日にセールスフォースによる買収が発表されました。

MetaMindは、人工知能を用いた画像認識やテキスト分析をビジネスを利用目的として提供しているスタートアップです。アメリカのメディアではディープラーニング、人工知能の注目スタートアップとして度々取り上げられていました。まさにセールスフォースとは相性が良いスタートアップと言えます。今後は、セールスフォースのサービスの中に、MetaMindの人工知能のテクノロジーが取り込まれていく予定です。

2. 2016年2月 PredictionIO

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汎用的な機械学習のオープンソースソフトウェアを開発していたスタートアップです。今後、Salesforceに入り、Salesforceのプラットフォームの人工知能の基盤の強化に従事します。PredictionIOのソフトウェアは、ソースコードの共有サイトのGitHubで9,000近いスター(お気に入り)を獲得しています。これはかなり多い数で、大きな支持を得ていることが分かります。単純比較はできませんがGoogleの人工知能ライブラリのtensorflowは約21,000です。ソフトウェア自体はオープンソースのまま公開されていくようです。

3. 2015年5月 Tempo AI

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Tempo AIは人工知能を活用したカレンダーアプリTempoを開発していたスタートアップです。予定に関連するアクションを数タップでできるように、パーソナルアシスタントのように手助けしてくれます。例えば、「アレックスとコーヒーショップで会う」という予定があるときに、アレックスの予定を連絡帳から探し出し、「少し遅れます」のようなよく待ち合わせのときに使う連絡をタップ1つでできるようにします。また、そのカフェの位置情報を取得し、タップ1つで地図を開く機能を提供します。このようにカレンダーを使う場面に応じて、様々な便利な機能を提供していました。カレンダー、スケジュール調整は、仕事において極めて重要であることから、SalesforceがTempo AIを買収したことも理解できます。

4. 2014年7月 RelateIQ

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今ではSalesforceIQという名前で知られているサービスは、RelateIQというスタートアップを買収することで生まれました。SalesforceIQは、営業チームやカスタマーサポートと顧客の間のやり取りを分析し、営業につながる知見を生み出すサービスです。営業担当者やカスタマーサポートは、顧客との多数の電子メールをやり取りしながらそれらの情報はほとんど解析・利用されることはありませんでした。これまで、解析対象の「データ」として認識されることは少なかった電子メールの内容を分析することで役立てる興味深い仕組みです。電子メールの他にも、ソーシャルメディアや電話の記録などの多数の情報を利用します。電子メールの内容や、電話の履歴なども解析、活用可能な「データ」と考えると、ビジネスで分析できるデータは想像よりも増えてくるでしょう。

Nissho Electronics USAの取組み

Salesforceの例を見ればわかるように、ビジネスの現場ではBIやビッグデータ解析、人工知能を取り込んでいくことが重要な課題となっていきます。この流れはますます加速していき、あらゆる企業にテクノロジーを活用するためのインフラ、高速でセキュアなネットワーク、膨大なデータを効率的に貯めるストレージ、よりリアルタイムに近いスピードで並列処理を行うコンピューティング基盤などが求められるようになります。

Nissho Electronics USAは上記のようなトレンドを把握の上、来るべきデジタルビジネス時代に備え、様々な観点からシリコンバレーで調査を行い、日商エレクトロニクスと連携し、お客様に対し最適な提案をしてまいります。お問い合わせフォームより、どうぞお気軽にお問い合わせください。

 

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