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Blog 01/07/2019 Team Nelco

キーワードは協働。ロボット導入が進む製造業事例3選

製造業におけるロボットの進化は目覚ましく、ロボットの導入が広がりつつあります。

製造業で活用されているロボットは産業ロボットの中でも今、人と協力して働く協働ロボットに注目が集まっています。

協働ロボットを導入するメリットは、人がロボットに任せた作業の時間を、創造的な仕事や、人ならではの価値が作れる仕事に充てることができる点だといえます。

そこで本記事では、製造業における協働ロボットがもたらす体験に注目し、Carbon RoboticsSeriforgeCreatorの協働ロボット3社について詳しく紹介していきます。

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そもそも協働ロボットとは?

協働ロボットの世界市場規模は急速な拡大が見込まれており、2018年の推計7億1000万ドルから、2025年には123億ドル市場に達すると予測されています。

協働ロボットとは産業ロボットの一種で、人と接触しても危険が無い、人と一緒に作業ができるロボットのことを言います。

一般的な産業ロボットはロボットそのものが大きく、人に危険が生じるため、人と同じ場所で協働するというのは難しいと言われてきました。

一方、協働ロボットの可搬重量は最小0.5kg。最大でも35kgのものが一般的であり、人と同じ作業場で働くことが可能な大きさ、重さなのです。

同じ作業を繰り返し継続して行うといったような単純作業を協働ロボットが分担し、接客といったような人ならではの強みを活かせる業務に専念することを助けます。例えば飲食店では、食品製造の部分をロボットが行い、出来上がった食品を受け取ってお客さまへの提供は人が行えるようになります。このようにして同じ場所で、ロボットと人が協働することが可能になるのです。

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また、協働ロボットは価格面、導入の容易さでも注目されています。従来、製造業に関わる産業ロボットは高い初期投資と工場の大型ライン、セットアップに高度な技術を必要としたため、中小規模の企業で取り入れるのは費用面・技術面の両面から難しいものでした。

一方協働ロボットは価格も比較的安価で、セットアップも容易かつ短期間で可能になります。企業の規模に関わらず、導入できる改善施策として採用されるケースが増えてきているのです。

それでは、実際に製造業における協働ロボット3社を紹介します。

1. Carbon Robotics: 低コスト・高性能なロボットアームが人の仕事を助ける。

Carbon Roboticsは2014年に設立されたサンフランシスコに拠点を置くスタートアップです。Carbon Roboticsの目標は、人間が人間の仕事をし、ロボットがロボットの仕事をする世界を創造することです。

(Carbon Robotics公式YouTubeチャンネルより転載)

Carbon Roboticsの主力商品であるKATIAは中小企業でも取り入れやすい協働ロボットです。小さい腕のようなロボットで、価格を抑えるかつプログラミングが容易でトレーニングがしやすく、高度な作業を自動化することができるため中小企業でも取り入れやすい協働ロボットです。

KATIAは他社のアーム型協働ロボットに比べ導入コストを10分の1まで削減可能にし、ロボットの専門家で無くても数時間で設定することができます。

例えば、ケーキのデコレーション作業をKATIAに指示する場合、タブレットにデコレーションの絵を書くことでKATIAにプログラミングすることができます。そしてその絵をKATIAが実際にデコレーションしてくれます。

デコレーションのデザインといった創造性が必要な作業は人が、そのデコレーションを施すのはロボットが行うといった協働作業が可能になるのです。

カスタマイズも可能で、ロボットアームの先端部分を交換するだけで3Dスキャンや3Dプリントなどさまざまな作業を行うことができます。

2.Seriforge :高性能材料の生産も協働ロボット導入でコスト減を実現

Seriforgeは2014年設立のサンフランシスコを拠点にするスタートアップで、炭素繊維を自動で大量生産することを可能にしました。

炭素繊維の部品の市場は年間13%成長していて、2020年には年間35億ドルに達する予想されており、生産の拡大が必要になっているのです。 seriforge part

(ロボットが製造した炭素繊維部品。写真は公式HPより転載。)

炭素繊維は鋼やアルミなど従来の構造材料に比べて軽量かつ強い材料です。安全性と性能を落とすこと無く軽量化が可能なため、電気自動車や航空宇宙分野、スポーツ用品分野などでニーズがあります。

しかしながら従来の炭素繊維の成形型は、炭素繊維織物のロールから裁断し、金型に合わせていたため、時間とコストがかかっていました。

(米ベンチャーキャピタルLemnos公式YouTubeチャンネルより転載)

一方、Seriforgeは3D印刷のように炭素繊維部品を大量生産することができます。独自の炭素繊維3D製織プロセスを使用して複雑な炭素繊維の生産を可能にしています。これにより、製造コストを最大90%削減することに成功ました。

Sergiforge graph (Seriforge導入した場合、手作業に比べ製造コストを抑えられる。写真はこちらのサイトより転載)

同社は生産ラインの増設を続けていて、現在3番目の生産ラインを追加予定です。CEOのJon Hollander氏のインタビューによると、すでに労働者の増員しています。

工場内でロボットと人が協働して働くことで、ロボットに移行可能な作業と人が必要な作業が効率的に分担され、大量生産を可能にし、生産性を高めています。

3.Creator:世界初!ロボットがハンバーガーシェフに

世界で初めてロボットが調理するハンバーガー店がサンフランシスコにオープンしました。Creatorのハンバーガーは20のコンピューターと350のセンサー、50のアクチュエーター(電気・油圧・空圧などのエネルギーを、回転運動・直進運動などのシンプルな機械的動きに変換するための機械的な要素のこと)を搭載したロボットによって調理されます。

TechCrunch公式YouTubeチャンネルより転載)

Creatorのロボットはパンをスライスし、トーストすることから完成まで、全ての工程を約5分で行います。肉は注文を受けてから挽かれます。

一般的なハンバーガーショップでの注文から受け取りまでの流れは、まず注文のためにレジに並び、レジにて注文を行い、決済します。その後注文した商品ができあがるまでレジ付近で待って、商品の受け取りをするといった順序でした。

Creatorでは来店してから列で並んでいる際に、決済機能つきのスマートフォンを持った店員が注文を取りに来ます。そこでクレジットカードによる決済を行うことができます。

通常のハンバーガーショップのレジにあたるカウンターでは、商品の受け渡しのみを行っています。通常レジ待ちの時間にあたる時間に商品をオーダーすることができるため、効率的に時間を過ごすことができます。

creator

(ハンバーガーの具はオーダーを受けて自動でスライスされ、調理されていく。画像はこちらのサイトより転載)

ハンバーガーの製造工程はガラス張りで、購入者から見えるようになっています。受け渡しカウンターの隣に設置されているので待ち時間にハンバーガーができるまで見入ってしまいます。

まるで映画の世界に入ったような感覚で、購入者にとってロボットが作る工程を見ること自体がエンターテーメントになります。

Creatorのハンバーガーは6ドルで、食材はオーガニックであり、出店しているサンフランシスコの人件費、土地代を考えると比較的安価であります。ロボットの活用による人件費や賃料の節約することによってこの値段での提供を実現しています。通常のファストフード店の厨房より少ないスペースで調理が可能です。

Creatorはロボット導入はしているが、注文受付やテーブルの掃除などの作業は人が行っています。

従業員によると、ロボットによる効率化はされているが、人による接客も行っているため、働いている人が「ロボットに仕事を取られている」のではなく「ロボットとコラボして働いている」というポジティブな感情になるとのことでした。ロボットと人のバランスを意識した活用が施されているのです。

実際食べてみると、素材が新鮮でとても美味しかったです。また、店内も賑わっていました。

関連記事:ガートナー2019年度版ITトレンド10大予測

協働ロボットで変わる製造業の今後

今回はサンフランシスコ・シリコンバレーの製造業におけ協働ロボット3社をご紹介しました。

協働ロボットを導入した事例で共通していることは、ロボットは人の仕事を奪うのでは無く、ロボットが人の仕事を助けることで、人は人の強みが活かせる仕事により専念することができるということです。

少子高齢化により労働人口が減少する日本の製造業の課題を、協働ロボットが解決してくれることが当たり前になる日がそこまで来ているのかもしれません。

Nissho Electronicsは最新テクノロジートレンドも視野に入れた、デバイスにとどまらない提案と構築・保守・運用の一貫したソリューションをご提供しています。特に当社は類似分野であるRPA(Robotic Process Automation)と呼ばれるソフトウェアロボットを活用した業務プロセスの自動化、効率化サービスに力を入れております(詳細)。

弊社サービス概要の詳細はこちらからご覧いただけます。また、弊社へのお問い合わせはこちらのフォームよりお気軽にご連絡ください。

参考資料:

Into the Forge Podcast: Full Interview with Jon Hollander and Eric Gregory of Seriforge
CEO Jonathan Hollander is reinventing composites manufacturing with an eye on the automotive mass market.
This New Robotics Company Gets Ranked Alongside Alphabet, Amazon and DJI
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