シリコンバレーテクノロジー 2016.09.28

覚えておきたいSD-WANの基本 – 現場の問題を解決するために

こんにちは。Nissho Electronics USAの細井です。

2016年、ネットワーク業界はSD-WAN (Software Defined-WAN) 元年と言っても良いかもしれません。実際の導入企業が増え、市場での注目度が高まってくるにつれ、ネットや雑誌で “SD-WAN” の文字に触れる機会が増えてきました。この9月20日~22日にも、フランスにて「SDWAN Summit 2016」が開催されてました。SDWANという限定的な分野ですが15社以上ものスポンサーが集まり参加していて同分野への注力度が伺えます。このように話題性が高まりますとSD-WANという単語に目に触れる機会が増え、全てを解決してくれる魔法の技術のように思いがちですが、それぞれやはり特徴が各々異なります。今回はSD-WANの基本的な特徴をご紹介します。

大きく分けて2つあるSD-WANの種類

SD-WAN は広義であり、実際には大きく二つの分野が存在します。文字通りSoftwareでDefinedされるWANはキャリア各社のエッジ側での設定や機器をソフトウエアで実現するV-CPEタイプのものと、ネットワーク上で使用するエンタープライズ企業アプリケーションの柔軟な活用をセンター集中で運用を可能にすることを目指したオーバーレイタイプのものに分けられるでしょう。双方とも注目の技術なのですが、目的や適した導入環境、使用者が異なります。

SD-WANは注目な分野ですので、情報が氾濫していますが、この二つの存在を知らずSD-WANの単語にただ触れると、自社に適さないとか、単なる機能比較による間違った判断になり兼ねません。まずは大きく2種類あるということとを認識頂いた上、今回は上述のSDWAN Summit 2016のテーマであります「Simplifying Enterprise WAN」にあるように、エンタープライズ企業のWANを簡素化する、オーバーレイタイプに絞って、その特徴をご説明します。

WANのトラフィックは増加する

改めて企業のグローバル化、多拠点化に伴い、クラウドの採用によりエンタープライズ企業のWANのトラフィックは増加の一途です。しかしながら、勘定系やミッションクリティカルなアプリで、本社と信頼性の高いネットワーク環境で繋ぐ必要があるとものと、TV会議などによる利便性を向上させるアプリ(乱暴に言えばベストエフォートで良いアプリ)では、ネットワークに求めるレベルが異なりますし、全てを同じで考えていたら、今後の増加するWAN帯域に対しコストがかかり過ぎます。

またクラウドアプリを使用するにも、既存のハブ&スポークのネットワーク構成をでは一極集中のボトルネックの原因になりますが、適宜の変更も影響範囲が大きく柔軟性が乏しいものです。今後増加されるアプリケーションには適したネットワークにむけて、SD-WANの技術を活用し、ハイブリッドな形での追加導入が注目されてきています。

アプリケーション視点のネットワーク

デジタル時代を迎え、企業の競争力はアプリケーションを使いこなせるネットワークが必要になってきます。クラウド時代と今更ご説明することは不要なくらい、世の中にクラウドアプリが氾濫し、企業のLAN環境に留まらず、WAN環境においてもアプリケーションの上手な使い方が左右し、インフラにはアプリケーション対応できる柔軟性と迅速性が求められてきています。従来のアプリケーションに加え、ビデオ会議、ファイルシェア、グローバル、エリア単位にミーティングなど、様々な利用シーンに適したアプリケーションが採用されます。

  • 新しいアプリケーションに対応する、WAN設計の迅速な対応
  • アプリケーショントラフィックの可視化による状況把握
  • 運用負荷の軽減

ネットワークは全体最適のグランドデザインが重要

SD-WANも上記のような今後のネットワークの課題を全て解決してくれる魔法の機能では残念ながらありません。ルーティング機能にしても、DPIの機能にしても、単体の専用機とここに比べ○✖をつけたら勝るものは少ないと思われます。個別の機能に固執するのではなく、運用全体をイメージし、現場で起きている問題が何で、何が課題で、どのように解決したいのか?全体を俯瞰したグランドデザインが重要になります。最近SD-WANがエンタープライズの方々で注目されているのは、そのようなグランドデザインを既存環境を活かしながら、ハイブリッドで実現するコンセプトである事なのでしょう。

あなたの企業はSD-WANの採用に適しているか?

上述のとおり、SD-WANは魔法の機能ではありません。SD-WANの採用が適していると思われる企業は以下のような方々かと考えます。 多拠点での使用(一つの目安は、およそ30拠点以上) グローバルに展開している企業(上位回線が複数のキャリアを選定される事が多い) 拠点間、リージョン内でのTV会議なども度々発生している アプリケーションに適したネットワークといえ、全てのインフラ環境を張りなおすようなことは無駄が多くなります。既存である設備に良いところは引き続き活かし、来るべき追加のアプリケーションに対応できるオーバーレイ型のネットワークの採用は“良いとこどり”を実現します。

 

日商エレクトロニクスが提供するハイブリットWANソリューション

日商エレクトロニクスは、上記全てのお客様層に対し、お客様が複数拠点のネットワークコネクションを安全かつまるでユーティリティかのように扱うことを可能とし、ネットワーク基盤を意識せずにアプリケーションとサービスに対する更なるイノベーションの展開を支援するため、Viptela製品を中心に当社サービスをあわせ提供させて頂きます。

Viptela製品ならびに関連サービスの詳細につきましては、日商エレクトロニクスWEBを参照の上、お問い合わせ下さい。

 

Nissho Electronics USAは上記のようなトレンドを把握の上、来るべきデジタルビジネス時代に備え、様々な観点からシリコンバレーで調査を行い、日商エレクトロニクスと連携し、お客様に対し最適な提案をしてまいります。お問い合わせフォームより、どうぞお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

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Tatsuo Hosoi

2016年3月までネットワーク及びサイバーセキュリティー分野のマーケティングを担当。同4月にNissho USAのPresidentに着任し、ICT全般のマーケティングを担当する。最先端の動向を掴むべく、持ち前の行動力を活かし、青空の下で日々、東西南北動き回る事を楽しみにしている。

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