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Blog 03/29/2018 Tatsuo Hosoi

【SXSW2018】アクセラレーターピッチ優勝企業をレポート

こんにちは。Nissho Electronics USA細井です。3月9日~17日まで、テキサス州オースティン市で開催されたSXSW2018に行ってきました。イベントは延べ9日間に亘る大規模なものですが、今回はその中のインタラクティブ分野になるアクセラレーターピッチについて触れたいと思います。

1. SXSWとは

SXSW(The South by Southwest:以下SXSW)は、テキサス州オースティンで開催されるイベント。SXSWというイベント名の由来は、人気映画「North by Northwest」(北北西に進路を取れ)からイメージして付けられたと言われています。

音楽やフィルム、インタラクティブといったカテゴリーを中心に2,000超のセッション、カンファレンス、展示会が開催されます。イベントのメイン会場であるオースティンコンベンションセンターを中心に、市街のホテルや店舗を巻き込んで開催される一大イベントです。
私たちが知る著名テクノロジー企業では、Twitterが2007年にSXSWアワードを受賞し、イベントも世界的に有名になりました。

2. アクセラレーターピッチイベント

今年のアクセラレーターピッチイベントは、以下の合計10カテゴリーでした。5カテゴリーずつ2日間に分かれてプレゼンが実施され、優勝企業が選出されました。1つのカテゴリーには事前審査で選ばれたそれぞれ5つのファイナリスト企業が出場。持ち時間は、1社あたりプレゼン2分、Q&A8分の計10分です。

開催は3月10日(土)11日(日)と、土日の開催にも関わらず全てのカテゴリーも会場一杯になるほどの盛況ぶりでした。

  1. Transportation Technology
  2. Social & Culture Technology
  3. Enterprise & Smart Data Technology
  4. Augmented & Virtual Reality Technology
  5. Hyper-Connected Communities Technology
  6. Security and Privacy Technology
  7. Payment and Fintech Technology
  8. Sports and Performance Data Technology
  9. Entertainment & Content Technology
  10. Health and Wearables Technology

SXSWというイベントの特長柄、このように多岐にわたるカテゴリーがあり、テクノロジーを全面にアピールする企業よりも課題解決型のサービス内容をアピールする会社がファイナリストに残っていました。 この多種多様な内容から普段とは違う目線を持つことができ、多くの気づきを得られる点がこのピッチの興味深いポイントです。世界中で起きている課題を知る事ができる他、会場ではベンチャーキャピタル(VC)やエンジェル投資家の方々とも知り合うことができ、情報交換できる点も大変魅力的です。

それでは今回優勝した企業をカテゴリーごとに見ていきましょう。

3. 各カテゴリーのWINNERおよびファイナリスト紹介

1. Transportation Technology

交通テクノロジー部門では、子供向けの通学カープール(同地域から同方向への相乗り)システムを提供するGoKidが優勝しました。運転手は同じ学校に通う子の親。忙しさから子供を送り迎えできない親や効率良い通学手段を提供したい学校向けに役立つサービスです。さらには朝の交通渋滞緩和等も期待されています。

【WINNER】GOKID 
GRIDWAISE 
COMMUTIFI
GOIN
USHE

2. Social & Culture Technology

こちらの部門では、1軒の家を3Dプリンターを使って「24時間以内に、通常の半分のコストで」建てるテクノロジーを発表したICONが優勝しました。低所得層向けのハウジング問題解消に向けて、非営利団体のNew Storyと提携。メキシコ、ハイチ、エルサルバドル、ボリビアでプロジェクトを進めており、特にエルサルバドルでは今年末までに100軒の家の建設が計画されています。

【WINNER】ICON 3D’ 
70 MILLIONS JOBS 
Moms Can: CODE 
SAMARITAN 
SYNERVOZ COMMUNICATIONS 

3. Enterprise & Smart Data Technology

ドローンを活用して森林再生の効率性向上を目指すDroneSeedがこちらの部門で優勝しました。ドローンで種を撒いて行う植林、肥料や除草剤の散布、実地データの収集・分析が主な提供サービスです。これまで人が行ってきた危険性が高い作業の代替やこれまで十分に活用されていなかった森林地の活用が期待されています。

【WINNER】DRONESEED
AGRARIAN LABS 
BLUEFIELD
FASTVISA US
M.IO By MESSAGE.IO

4. Augmented & Virtual Reality Technology

AR・VR部門では、ロサンゼルスを拠点にARを活用した映像コンテンツを作成するARwallが優勝しました。エンターテイメントで著名なハリウッド近くで活動しており、映像技術に大きな進歩をもたらしています。詳細は下記の動画を見ていただいた方が早いかもしれません。

arwall

【WINNER】ARWALL
EYECANDY LAB
AFTERNOW 
CIEAR
WRNCH AI

5. Hyper-Connected Communities Technology

この部門で優勝したのは、レストラン等で廃棄される大量の食糧を畜産業での活用につなげるGrubTubs。畜産業の最大のコストは家畜への餌代とされていますが、これを近年問題視されている飲食業界の大量廃棄食糧でカバーしようするサービスです。地元レストランで廃棄される食糧をGrubTubsがトラックで回収、そのまま地方の畜産農家に届け、そこで作られた食材がまたレストランで提供されるという循環システムを構築しました。

【WINNER】GRUBTUBS
APPTRONIK
DIWALA
ECLOSION
GOTECHh WEB ※サイト未準備

6. Security and Privacy Technology

セキュリティ部門では、暗号化技術を活用して3Dアセット保護プラットフォームを提供するPolyPortが2年連続で優勝しました。同社プラットフォームはファイル共有時に誰が、どのファイルを、いつ、どのような目的で、どこで行ったかすべてトラッキングし、またIP保護等も行います。

【WINNER】POLYPORT
BANDURA SYSTEMS
14BIS SUPPLY TRACKING
SECURE CODE WARRIOR
STORRO B.V. 

7. Payment and Fintech Technology

決済・フィンテック部門では、世界中で増えつつある難民のバンキング問題の解決を行うLeaf Global Fintechが優勝しました。国連によると、世界中の難民の数は2016年時点で6000万人を超えたとのこと。彼らはときに毎日泊まる場所を変えなければいけないほど不安定な状況にあることから、銀行や関連テクノロジーへのアクセスが限定的になります。結果として、十分な食料や手当を受けたり、親戚や友人を助けるための送金したりすることができないという問題があります。Leaf Global Fintechはこの問題解決にブロックチェーン技術を駆使して取り組んでおり、難民向けにSMSベースで簡単に貯金や送金を行えるプラットフォームを提供しています。

【WINNER】LEAF
CUSHION
FUTUREFUEL.IO
GOALSETTER
PAWAME

8. Sports and Performance Data Technology

ハーバードのイノベーションラボで作られたこのウェアラブルセンサーは、運動中にいつ、何を、どれぐらい飲むべきか教えてくれます。これまでもアスリートは自身の感覚で水分補給を行っていますが、それでも熱中症で倒れてしまう等水分補給を誤ることがあります。今回専門家もいるNIXチーム提供の科学的かつテクノロジー的なアプローチはこのピッチイベントで高く評価されました。

【WINNER】NIX
DASHTAG
KIDZTOPROS
UPGRADED

9. Entertainment & Content Technology

エンターテイメント・コンテンツ部門の優勝企業は、AI搭載の音声エンジンを提供するVochlea Musicでした。このプロダクトは人間の音声を認識し、他の楽器音を操ることが可できます。例えば、ヒューマンビートボックスでリズムを刻むとそれに合う他のドラム音を自動で再生し、アーティストであれば鼻歌を口ずさむだけでAIがベースラインを作ってくれます。「何かふとメロディーが浮かんだ時に、リアルタイムで楽器を使わずに声だけで演奏できる」世界を同社CEOのジョージ・フィリップ氏は目指しています。

【WINNER】VOCHLEA MUSIC
ANTESCOFO
FANFOOD
INSTREAMATIC.AI 
SCEENIC

10. Health and Wearables Technology

ヘルステック部門では、慢性疾患患者のリアルタイムモニタリングをナノセンサー技術で可能にするNanowearが優勝しました。これまでの現場では、患者の日々の生活に制限が出るウェアラブル製品やコストパフォーマンスがあまり良くないものばかりで、患者から医師へ定期的に十分なデータを送れる仕組みができていませんでした。Nanowearはこの問題に着目し、患者と医者両方に負担の少ないテキスタイル製品を開発しました。

【WINNER】NANOWARE
AIRPOP 
CAMBRIDGE CANCER GENORMICS
HEALTHTENSOR
SEMPULSE

今年もこのように社会問題を独自の視点で解決しようとするスタートアップが優勝していました。

SXSWに限らずですが、私はアクセラレーターピッチイベントが大好きです。溢れんばかりのユニークなアイディアを持ち時間2分のプレゼンテーションに凝縮し、VCや投資家に認めてもらおうとする情熱にあふれた起業家の本気の姿勢を目の前で見ることができます。口下手だけど頑張る人、時間をオーバーしてもアピールを続けようとする人、世の中の不便さを解消しようとしている人。今回知ったスタートアップを目指す企業や、世の中の課題を肥しにしつつ、今後の活動に活かして行きたいと思います。皆さまにもご紹介したくなる企業・サービスが出てくることを期待しましょう。

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著者紹介

Tatsuo Hosoi

Tatsuo Hosoi

2016年3月までネットワーク及びサイバーセキュリティー分野のマーケティングを担当。同4月にNissho USAのPresidentに着任し、ICT全般のマーケティングを担当する。最先端の動向を掴むべく、持ち前の行動力を活かし、青空の下で日々、東西南北動き回る事を楽しみにしている。

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