シリコンバレーテクノロジー 2017.03.30

シリコンバレーのテックトレンドを振り返る − 2014年~2017年

こんにちは。Nissho Electronics USA山本大輔です。

2015年8月からスタートした当社のブログサイト。気が付けば、今回で私の書く記事は16記事目となりました。いつも読んでくださっている方、本当にありがとうございます。タイトルから察せられると思いますが、この3月末をもって、日本に帰任することになりました。今回は2014年からの3年間、主にテクノロジートレンドの遷移を中心にシリコンバレーでの活動を振り返ってみたいと思います。

ビッグデータやIoTが注目されはじめた 2014年

2014年に流行っていたキーワードとしては、当社の事業領域においては、OpenStack、Big Data Analytics, SDN/NFV, IoT,  Cyber Security, Web-Scale, NVMeといったところでしょうか。特にOpenStackに関しては、多くの事例が出てきており、この年が注目を集めるピークの年だったと思います。

SDN/NFVに関しては、AT&TのDomain2.0を筆頭にTelco中心に普及が始まってきました。ETSIのフレームワークがあらゆる所で取り沙汰されていましたね。サービス・チェイニングやvCPEなどがとても注目されていました。Cyber Securityに関しては、米国小売2位のTargetのクレジットカード情報などの漏洩事件や米国最大手のイーコマースeBayの顧客情報漏洩事件などが大変話題になりました。侵入を防ぐではなく侵入をいかに早く検知するかという方向にセキュリティの考え方が変わってきました。IoTはまだこの年はどちらかというと、ウェアラブルが注目されていたなぁという印象です。

コンテナ/Docker(ドッカー)が世界で広く認知された 2015年

この年に流行っていたキーワードとしては、コンテナ/Docker、SD-WAN、Blockchain、マイクロサービス、Virtual Assistantなどでしょうか。なかでもコンテナ/Docker(ドッカー)はこの年に一気に最注目のテクノロジーとして世に広く認知されたように思います。この年のDockerconはチケットが早々にSold outになったのを鮮明に記憶しています。前述したOpenStack界隈もコンテナ絡みの話題が尽きない状態でした。

ネットワークに関しては、SD-WANがなかなかエンタープライズに普及しないSDNのキラーツールとなり非常に注目を集めました。ONUG(Open Networking User Group)でもSD-WANはトッププライオリティで議論されていました。Viptela社のGAPの事例などが有名ですね。また、2015年は過去最大のM&Aの額を記録した年でもありました。代表的なDellによるEMC買収もこの年に発表されましたね。他にもNokiaによるAlcatel-Lucentの買収、AvagoによるBroadcomの買収、IntelによるAlteraの買収、WesternDigitalによるSanDiskの買収などBig Dealが軒並み続き、テクノロジー業界の再編を感じる年となりました。

冬を乗り越えたAI 2016年

2016年は何といってもAIでしょう。2度の「AIの冬」を乗り越え、3度目のブームの真っ最中という感じです。あらゆる領域でAIというキーワードが盛んに取り上げられていました。最近のスタートアップはだいたいAIをベースにしたテクノロジーを活用していると言っても過言では無いかもしれません。Amazon Echo/Alexaを中心にコンシューマー向けの商品も数多くリリースされ、非常に認知度が上がったと言えます。

そして、記憶に新しいPokemonGOの大ヒット。これによりAR/VRが次世代のインターフェースとして大注目を集めることになりました。DaqriというAR関連のスタートアップはARを搭載した建設現場向けのスマートヘルメットなどをリリースしています。また、2016年は初めてNon-Tech企業によるTech企業の買収数がTech企業による買収数を上回った年でした。まさにあらゆる企業がテクノロジー企業になる、Digital Transformationの幕開けを予感させる年となりました。

 

Web Giantsの影響力が強大に

年々、感じることとして、Facebook、Google、Netflix、UberといったWeb Giantsの影響力がますます強くなってきています。ベンダー主導ではなく、ユーザーコミュニティが主導するオープンソースベースのエコシステムの拡大を強く感じました。ベンダー主催のカンファレンスやイベントよりもユーザコミュニティ主催のイベントの方が個人的にも得るものが多いと感じました。

その他

テクノロジーとは関係ありませんが、物価について。最近少々落ち着いた感はありますが、家賃の高騰具合は信じられないものでした。実はそれこそがシリコンバレーに人が集まる、金が集まる、を最も実感できたことかもしれません笑。日本にいる方にはなかなか伝わりづらいのですが、シリコンバレーエリアは家賃だけでなく、ホテル、レストラン、食品などあらゆるものが東京の物価の1.5倍はします。ご出張時にはご注意ください。

最後に

私のつたないブログを読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。私は帰任しますが、他のNissho Electronics USAメンバーが引き続き、シリコンバレーのトレンド情報を発信し続けていきますので、引き続きご愛顧のほど、宜しくお願い致します。

お問い合わせフォームより、どうぞお気軽にお問い合わせください。日商エレクトロニクスのサービスの詳細はこちからから

 

この記事を書いた人

この記事を書いた人

Daisuke Yamamoto

2014年5月に渡米しNissho USAのManager of Marketing & Business Developmentに着任。主にCloud, Storageエリアを担当。豊富な営業経験から顧客需要を満たすソリューション発掘を得意とする。

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