シリコンバレーテクノロジー 2017.06.22

IoTを加速させるWoT (Web of Things) への期待

こんにちは。Nissho Electronics USA細井です。

2017年6月6日~9日まで、スイスのジュネーブでIoT Week GENEVE Global IoT SUMMIT 2017が開催されました。AgendaやTwitterを見ると、DAY3 にWoT(Web of Things) 関連が議論された様子。WoTは3,4年前にも既に話題に上がったキーワードですが、昨今のIoTの普及が加速し始め盛り上がりつつあるので、今回あらためて取り上げてみたいと思います。

IoTは、モノが繋がらなくてはならない

IoTは色々なモノ (デバイス) が繋がるようになるが、従来、機器単体でオペレーションしていたモノ、個別で完結していたモノ、専用のOSで動いていたモノが殆どで、使う側も外部にデータを出すような事を想定しておらず、それぞれのモノが単独で発したデータを専用画面で見て操作していました。

そして実際のIoTデバイスは多種多様で、メーカーも違えば、使用しているハードもソフトも異なりますので、広範囲に渡るデバイスを繋げるのは想像以上に難しい事でした。ここ1,2年ではIoT市場予測が右肩上がりになってる数字をよそに、実際には繋がらない・・・という状況に直面しています。

一部にはIoTが普及するには、Interoperability (相互接続性) が重要であり、IoT=Interoperability of Things と語る方々もいて、なかなか上手い事を言うな、と感心して聞いています。IoTの普及にとってInteroperabilityの重要性は分かり易いと思いますが、我々の置かれた実際の環境では実現がなかなか難しいです。それは従来のビジネスモデルとのバランスがあるからです。専用機は専用だからこそ、専用機メーカーは相当の価格で展開ができ、価値を提供してきていました。ある意味メーカーによるブランドも維持してきたと言えるでしょう。

コミュニケーションにおいてプロトコルを合わせるということ

確かに我々の実生活においても、母国語やカルチャーの異なる人とコミュニケーションをするのは難しいですが、スポーツやゲームなど共通な話題 (プロトコル) を一緒にする事で容易になりました。そこで、IoTデバイスにおいても円滑なコミュニケーションをするには、何か共通で広く知れ渡ったプトロコルを便利だ (必要だ) という考えが生まれました。

インターネットを飛躍的に普及させたHTML/HTTP

今から30年程前、HTML (HTTPという通信に使う共通プロトコルにより) というWebの普及により、Webブラウザが動作する端末であれば、メーカーに依存せずにアクセスできるようになりました。お店の情報、文献の情報、会社が持っている情報など、従来あらゆるフォーマットでバラバラに存在していた情報が、インターネットで見られるようになりました。

HTMLというハイパーテキストで書かれた情報は、HTTPというプロトコルに乗り、検索エンジンの普及により簡単に調べられるようになりました。情報と“繋がり”を持てる事で、インターネットが爆発的に普及したのは、みなさん記憶に新しいと思います。

そしてIoTの普及にも、同様な共通なプロトコルが必要と考えられるようになり、Web of Thingsと呼ばれ、今、またWeb関連技術が注目されてきています。製品個別で持ち、バラバラに存在している情報を繋ぐ、そしてメーカーに依存しないオープンな規格が求められるという流れは、HTML/HTTPによりインターネットが普及した頃に類似しています。

APIの開示、Web系プロトコルで会話する

市場に広まっている様々なタイプのデバイスをIoT化し、生成された情報を、広く使用できるようになるようにWoTの活用が期待されています。

Webの世界には、開発言語、ハードウエアやOSに依存する事が少ない「HTML5やJavaScript」といったオープンな言語を使用する事ができ、また広く一般的に普及している通信プロトコルを使用することで、相互接続を可能にできるメリットがあります。

簡単にいうと専用機を動作させる専用OSで動作するアプリケーションをHTTPやWeb APIを使った通信で操作させるイメージです。取得したデータを可視化するCloud上の演算システムや、可視化ツール、他のアプリケーションとの連携もHTTPやWeb API経由で実行します。

WoT関連の書籍、カンファレンスも増えてきました。もちろん、WoTにて全てのものが繋がるという事は無いですが、デバイス開発においてもWoTを意識した “繋がり易い“ デバイス、もしくはアプリケーションが語られる頻度は高まり、一般の紙面にも登場してくる日は近そうです。

Nissho Electronics USAは上記のようなトレンドを把握の上、来るべきデジタルビジネス時代に備え、様々な観点からシリコンバレーで調査を行い、日商エレクトロニクスと連携し、お客様に対し最適な提案をしてまいります。

出張でシリコンバレーに来られる際は是非、Nissho Electronics USAまでお立ち寄りください。ご訪問のお問い合わせ、ご質問はこちらのお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

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この記事を書いた人

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Tatsuo Hosoi

2016年3月までネットワーク及びサイバーセキュリティー分野のマーケティングを担当。同4月にNissho USAのPresidentに着任し、ICT全般のマーケティングを担当する。最先端の動向を掴むべく、持ち前の行動力を活かし、青空の下で日々、東西南北動き回る事を楽しみにしている。

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