シリコンバレーテクノロジー 2023.07.10

【Infocomm2023速報】ビデオ会議ハードウェアの新製品とトレンドを一挙公開!

こんにちは、日商エレクトロニクスUSAの竹内です。
2023年6月10日~16日にフロリダのオーランドで開催されたイベントInfocomm2023に参加しました。今回は、Infocomm 2023で発表されたビデオ会議ハードウェア各社の最新情報とそこから見えてきたトレンドをお伝えしていきたいと思います。

Infocommとは?

Infocommは北米最大のプロフェッショナル向けオーディオビジュアルの展示会です。出展企業数は、オーディオ、会議&コラボレーション、デジタルサイネージ、イベント&エンターテインメント、ミーティングルーム、AI &ARの領域を合わせると600社以上に上ります。なかでも今回紹介するビデオ会議ハードウェアの領域は、リモートワーク/ハイブリッドワークの浸透もあり、Infocomm2023の中でもっとも盛り上がっていたエリアでした。

ビデオ会議ハードウェアの新製品

ここからは、ビデオ会議ハードウェア各社の新製品やアップデートを見ていきましょう。今回取り上げるのは、日本市場でも導入が進んでいるNeat、DTEN、Logitech(Logicool)の3社の製品です。

1. Neat

1社目は、北欧発のスタイリッシュなビデオ会議製品を提供するNeatです。このInfocomm2023で新製品を初めて公開したこともあり、ブースには常に人が絶えず、出展企業のなかでもっとも注目されていた印象を受けました。そんな同社が発表した新製品が、Neat Board 50とNeat Centerです。

Neat Board 50

Neat Board 50は、ビデオ会議に必要なものが全て揃ったAll in Oneのビデオ会議端末です。50インチの4K対応ディスプレイ、広角113度かつ50Mピクセルのカメラ、5つのマイクアレイを備えており、小〜中規模の会議室に最適だと感じました。また最大2画面まで対応でき、追加した2台目のNeat Board 50には1台目から電力を供給できるため、端末まわりがケーブルだらけになるのを避けられます。

特に注目すべきは、新開発されたアダプティブスタンドとアダプティブマウントです。これまではビデオ会議端末の設置後に本体の高さを調整するのは難しかったのですが、こちらはスタンド、壁掛けの両方で高さを自由に調整できます。適切なカメラの位置で会議を行えば、対面のような雰囲気になり、双方にコミュニケーションのストレスが減るでしょう。Neat Board 50は現在$5,990でプレオーダーを受け付けており、2023年夏~秋ごろに販売が開始される予定です。

アダプティブスタンド

Neat Center

Neat Centerは2つのカメラとマイクを備えた、Neat製品の後付けデバイスです(Neat Frameを除く)。この製品のポイントは、参加者の身体の向きによってメイン端末のカメラとNeat Centerのカメラが自動で切り替わる点で、これによりリモート参加者に対して参加者が常に正面に映るようになります。さらに将来的には、複数のNeat Centerを繋げることで大きな部屋にも対応できる予定です。Neat Centerは、2023年の年末に販売予定です。

 

2. DTEN

ディスプレイ一体型ビデオ会議端末のパイオニア企業のDTENからはDTEN D7X Dual 75″とDTEN Vue Proの2製品を紹介します。

DTEN D7X Dual 75″

DTEN D7X Dual 75″は、デュアルモニターの一体型ビデオ会議端末で、75インチの大きな4Kディスプレイ2つと、5つのカメラ、15のマイクアレイを備えています。一番の特徴は左右、中央に配置された5つのカメラです。高さに関しても人の目線を意識した位置に設置されており、リモート参加者に対して対面と同じような自然な映りを提供します。

2つのディスプレイでは、片方が参加者を映し、もう片方が画面共有やホワイトボードを表示するなども可能です。大会議室やセミナールーム、役員会議室で重宝しそうです。

DTEN Vue Pro

DTEN Vue Pro はDTEN D7X Dual 75″の左右に設置されているカメラで、D7X 55″にも追加できるオプション製品です。カメラが斜めに設置されているほか、複数のカメラを備えているため、参加者を正面かつ目線の高さで捉えることが可能です。また160度の広角まで対応し、会議室全体を映すこともできます。

 

3. Logitech

最後は、日本でLogicoolの名前で知られるLogitechです。同社はマウスやキーボードなどのパソコン周辺機器で有名ですが、実はB to B向けのビデオ会議製品でも知名度が高く、魅力的な製品を数多く提供しています。今回は、新製品の中からRally Bar HuddleとLogitech Sightを紹介します。

Rally Bar Huddle

Rally Bar Huddleは、マイク・カメラ・スピーカーが一体型となったビデオバー製品です。Rally Barシリーズの中でもっとも小さいモデルで、小さな会議室での利用を想定して作られています。

本製品のポイントの1つは着せ替えができる点です。部屋のデザインや用途に応じて、正面のパネルを交換することができます。

今後はHecklerというビデオ会議の周辺機器を提供する企業とタッグを組んで、オリジナルのデザインを作成できるサービスが提供される予定です。

Logitech Insight

Logitech Insightは、2つのカメラとマイクを備えた円筒型のデバイスで、Rally Bar および Rally Bar miniに接続できます。Neat Centerと同じようなコンセプトで、参加者の正面の映像を相手に届けることができる製品です。

ただしNeat Centerとは異なり、メイン端末のカメラとLogitech Insightのカメラの自動切り替え機能(Smart Switching機能)は将来のソフトウェアアップデートで対応される予定です。2023年8月に出荷予定で、価格は$1,990です。

NisshoUSA注目ポイント

今回参加していたビデオ会議端末ベンダー各社は、対面のコミュニケーションに近い自然な映りや音声を提供する製品開発に注力をしている印象でした。その中でも、特に円筒型のデバイスを机の中心に置くアプローチのNeatとLogicool、ディスプレイの左右に角度をつけたカメラを付けたDTENがこの業界をリードしていると感じました。

また、これまでビデオ会議のプラットフォームはZoom Roomsが先行していましたが、今回各社の展示内容から実感したのは、マイクロソフトのTeams Roomsの勢いです。実際に、Zoom RoomsとTeams Roomsを展示する周辺機器メーカー各社の割合は半々ずつくらいでした。市場全体がますます盛り上がっていく雰囲気を感じました。

ハイブリッドワーク時代において、これまで以上に会社とリモート環境のビデオ会議のニーズが高まってきていることは間違いありません。情報革新や変化がめざましい注目の業界であり、今後もしっかりとトレンドをウォッチし、皆さまに情報をお届けする予定です!

最後までお読みいただきありがとうございました。
Nissho USAは、シリコンバレーで35年以上にわたり活動し、米国での最新のDX事例の紹介や、斬新なスタートアップの発掘並びに日本企業とのマッチングサービスを提供しています。紹介した事例を詳しく知りたい方や、スタートアップ企業との協業をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

この記事を書いた人

Yuki Takeuchi

2011年に日商エレクトロニクス入社。大手通信キャリア、OTT事業者向けの営業、Citrix製品の事業推進を経験したあと、ZoomやAsanaなどのエンタープライズ向けSaaSビジネスの事業開発、推進を担当。 2023年よりNissho USAに赴任。ITを通して、日本企業の競争力や生産性が上げられるようなソリューションの発掘を目指して日々活動中。 担当領域は、ITインフラ全般、SaaS、Future of Work、Retail Techなど。 サーフィンや登山など体を動かすことが好き。

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