シリコンバレーテクノロジー 2019.09.28

【日米イノベーションアワード2019】ZoomとWHILLが新興リーダー賞に!

Stanford

こんにちは、Nissho Electronics USA 能任です。

2019年7月26日、米国カリフォルニア州スタンフォード大学で「日米イノベーションアワード2019・シンポジウム」が開催されました。同イベントは米国の非営利団体である北カリフォルニア日米協会とスタンフォード大学の米国・アジア技術経営研究センターが共同で2011年から毎年スタンフォード大学で実施している伝統的なシンポジウムで、日米間のコラボレーションとイノベーションの促進を目的としています。

そのなかでも毎年注目されるのが、日米両国からお互いの市場にインパクトを与え活躍した会社を1社ずつ選出するEmerging Leader(新興リーダー賞)の授賞式です。今年はアメリカ側でZoom、日本側でWHILLがそれぞれアワードを獲得しました。

今回はその新興リーダー賞と両国の受賞企業について紹介していきたいと思います。

新興リーダー賞とは?

日米イノベーションアワードの新興リーダー賞は、グロ―バルで認められ飛躍するきっかけになるアワードとして広く認識されています。今では多くの人々が日々のコミュニケーションで活用しているLINE、誰でも容易にファイルの受け渡しができる仕組みであるオンラインストレージDropboxなどが、まだ世間での認知度が低かった頃に本アワードを受賞しいます。

新興リーダー賞の選定基準は、以下の5項目です。

1)Impact(影響力)

社会に大きな変化をもたらすような革新的なサービスかどうか

2)Uniqueness(独自性)

独自性のあるビジネスモデル、製品、サービスか

3)Future Promise(将来性)

継続して成長できるのか、長期的に成功するビジネスモデルになっているかどうか

4)Market Validation(市場の妥当性)

市場に需要があり、またサービスの価格帯は市場に受け入れられる程度のものかか

5)US – Japan business relevance(日米におけるビジネスの繋がり)

米国または日本の一方だけでなく、両方市場で受け入れられるサービスかどうか

この5項目の選定基準から選ばれた過去の受賞企業は、先ほど挙げたLINEやDropboxのほかにも現在当たり前のように人々の生活で使われているサービスが多く、本アワードの先見性の高さが感じられます。

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2014年から2018年のアワード受賞企業(JAPAN-US INNOVATION AWARDS公式サイトより転載)米国・日本の各受賞企業

誰でも簡単に利用することを実現したWebコミュニケーションツール・Zoom

今年、米国側で選ばれたのはWebコミュニケーションツールを提供するZoomです。

ZoomはSaaS型のWebコミュニケーションソリューションであり、インターネット接続環境、PCやスマートフォン、カメラ、マイク&スピーカーがあればワンクリックでオンライン会議を始めることができます。日本におけるZoomのユーザー数は米国に次いで第2位で、会議ツールとしての認知度が国内でも高くなりつつあります。

Zoomが提供するWebコミュニケーションは、既存事業の秩序を破壊して業界構造を変化させるようなサービスというわけではありません。このWebコミュニケーションの市場は以前からありましたが、Zoomは誰でも簡単に使えるようなシンプルで洗練されたUIを開発し、どこでも当たり前のように繋がる品質で多くのユーザーの心を掴んだのです。

授賞式ではZoom CEOのEric Yuan氏が、過去に横浜で仕事をしていたことなどを交えながら2011年設立から2019年のIPOに至るまでの経緯を語る姿がとても印象的でした。

なお、Zoomに関して詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。

Zoom WHILL

シンポジウムでZoom CEOのEric Yuan氏が紹介されている様子(向かって左からChairman Allen Miner氏、WHILL CEO 杉江理氏、Zoom CEO Eric Yuan氏)

関連記事:次のWeb会議システムに「Zoom Room」を選ぶべき5つの理由

高機能・洗練されたデザインを実現した次世代型電動車椅子・WHILL

日本側では自動運転システムを搭載して新たな移動手段を提供するWHILLが選ばれました。WHILLはすべての人の移動を楽しくスマートにすることをミッションに掲げており、身体の状態や障害の有無にかかわらずだれもが安心して乗ることのできる、車椅子の概念を超えたパーソナルモビリティを提供します。

現在WHILLではラガーディア空港(米国)などで実用化を進めており、日本では小田急グループが保有する多様な交通サービスや生活サービスをアプリを通じて1つのサービスとして提供する「小田急MaaS」のサービスをWHILLと連携して進めるという発表をしております。

授賞式ではCEOの杉江理氏がWHILLで実現したい世界観である「誰もが好きな時に自由に使えて、楽しくスマートに移動ができる近距離の新しいスタイル」を熱く語る姿が印象的でした。

米国、日本だけではなく、世界中でWHILLが提供する製品が当たり前のように活用される日も遠くないかもしれません。

WHILL

WHILL model C (WHILL公式サイトより転載)

まとめ

今回初めて本シンポジウムに参加し最も印象に残ったことは、会場内で米国企業と日本企業の交流が活発的に行われていることでした。今回紹介した2社だけではなく、両国様々な企業が協賛してブースを出しており、意見交換が至るところで行われていました。米国と日本の架け橋になっているイベントの1つとして来年の開催もとても楽しみです。

Nissho Electronics USAではお客様のビジネスを共創&サポートすることを目指し最新のテクノロジートレンド、ユーザートレンドを日々調査しております。是非お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

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Shuichi Noto

2008年にユニアデックス入社。5年間の大手通信キャリア向けの営業を経験した後、日商エレクトロニクスへ入社。大手OTTの情報システム部門向けにVDIやWeb会議などの働き方改革を促進するソリューションの販売に従事。2019年よりNissho USAに赴任。お客様のビジネスを共創&サポートできるようなソリューションの発掘を目指し日々活動中。担当領域はITインフラ全般、ヘルスケア業界、地域創生など。趣味はゴルフとサッカー。

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