シリコンバレーテクノロジートレンド 2016.09.01

オープンソースとの上手な付き合い方

こんにちは。Nissho Electronics USA山本大輔です。

フィンランドの大学生であるLinus Torvalds氏が1991年に発表したLinuxは、その後爆発的に普及し、2016/8/25に25周年を迎えました。1990年代においては「おもちゃ」と揶揄されておりましたが、現在はサーバ市場をほぼ独占、またアンドロイドまで含めると、数十億を超えるデバイスで稼働しています。そして、今年は25周年を祝うパーティーLinuxconが開催されるほどにもなりました。(私も参加してきました)

また、Linuxの発展は単なるカーネルの進化にとどまらず、エコシステムの進化にも及びます。現在のLinux Foundation配下には50以上のオープンソースプロジェクトが存在します。Cloud Foundry、Open Container Initiative、Open Daylight、OPNFVなどが代表的なプロジェクトです。Linuxの歴史はオープンソースの歴史と言っても良いかもしれません。来年からはLinuxconもOpen Source Summitと名前を変えるようです。オープンソースの勢いを様々なところで感じられる今、今回は改めてオープンソースに焦点を当てた記事をお届けします。

オープンソースのメリット

オープンソースソフトウエアとはソースコードが利用可能で、著作権保持者がどんな目的のためでもソフトウェアを、学習、変更、そして配布するための権利を提供するというライセンスに基づいたソフトウェアです。(Wikipediaより)。

メリットとしては、以下があげられるでしょう

  1. 基本ソフトウエアそのものは無料で使用できる
  2. ソースコードが公開されているため、自らバグの修正や機能追加が可能である
  3. コミュニティによるスピード感ある開発、プロジェクト間の連携、Use Casesの共有などといった恩恵を受けられる。
  4. ベンダーロックインを回避できる

一方、メリットの裏返しでセキュリティリスクやベンダーサポートが受けられない、スキルを持ったエンジニアがいないなどのデメリットもあります。

良し悪しを理解した上で適材適所での利用が必要となってくるわけです。

注目のオープンソースプロジェクト

さて、冒頭でも触れましたが、Linux Foundationでは現在50を超えるオープンソースプロジェクトを運営しています。その中で私が注目しているのは、Cloud Native Computing Foundationです。

Cloud Native Computing Foundationはコンテナやマイクロサービスなど新しいコンピューティングのモデルの採用を促進する団体で、Google、Docker、Redhatなどによって運営されています。Googleで10年以上稼働しているコンテナシステムのBorgをベースに開発され、多くの企業でコンテナのオーケストレーションツールとして利用されているKubernetesの管理をGoogleから委譲されたことも有名です。以前のブログでも紹介したようにコンテナ環境の採用は進んでおり、オーケストレーターの必要性が高まってきています。

参照 : VMwareとどう違う?Dockerに見るコンテナ型仮想化サービス

代表的なオーケストレーターとしては、Docker Swarm、Kubernetes、Mesos + Marathonがあげられ、どれもPros/Consありますが、OpenStack連携の事例があったり、コミュニティが最も活発なのはKubernetesでしょうか。コンテナのオーケストレーターを今後もWatchしていくにあたり、Cloud Native Computing Foundationに参加している各社の動向や思惑を注視していきたいと思います。

また、次に注目しているプロジェクトは、Fintech界隈を中心に盛り上がりを見せるブロックチェーンを推進するHyperledgerプロジェクトです。2015年12月にスタートし、Accenture、IBM、Intelなどが参加しています。ブロックチェーン技術を活用した堅牢な商取引システムを作るためにはどのような要件が必要なのか、などの議論、共同検証が進められています。ブロックチェーンのユースケースは金融分野に限ったものではないので、様々な分野への応用が期待されますので、注目のプロジェクトと言えます。

ブロックチェーンについて:ビットコインだけじゃない、ブロックチェーン技術を使った注目のスタートアップ

投資家からみたオープンソース

8月に開催されたOpen Stack Days Silicon Valleyではベンチャーキャピタリストに転身したSDN界隈のレジェンドであるMartin Casado氏(元Nicira、VMware)が、GPS(カーナビと言った方がわかりやすいでしょうか)を例にとり、もはやHWと一体化したGPSは消え去り、Wazeのようなアプリをプラットフォームであるスマートフォンに入れて使うことが主流となりました。

同じことがITインフラにも言え、今後のイノベーションはソフトウエアから生まれてきます。その中でオープンソースソフトウエアが重要になってきていますが、オープンソースの問題点はマネタイズです。以前はメンテナンス・サポートを販売することでマネタイズを図っていましたが、このモデルは古く、今はOpen Sourceをバックエンドで利用して、 サービスとして提供するというモデルが主流となってきています。

例えば、Data Analytics as a Serviceのdatabricks、Software Development as a ServiceのGitHubなどと話していました。オープンソースそのもので儲けるビジネスモデルは難しいですが、それを活用することを前提とした新しいビジネスモデルがどんどん出てきています。オープンソースソフトウエアが作り上げるエコシステムをベンチャーキャピタルも注目しています。

オープンソースとの上手な付き合い方

OpenStack、Dockerなど最近の流行りのテクノロジーはオープンソースがベースとなったものがほとんどです。今回この記事を書こうと思った背景には、様々なカンファレンスなどに参加していると、アメリカの先進的な企業はどんどんオープンソースベースの新しいテクノロジーを採用している傾向があり、私たち日本企業も悪い部分ばかりを見ないで、積極的に取り入れていかないと競争力を保てなくなるのでは?という危機感を感じたことがあります。

ユーザ企業だけでなく、我々インテグレーターの立場においても、オープンソースと上手に付き合い、新たなビジネスモデルを創出していく必要性を強く感じています。今後もNissho Electronics USAは上記のようなトレンドを把握の上、来るべきデジタルビジネス時代に備え、様々な観点からシリコンバレーで調査を行い、日商エレクトロニクスと連携し、お客様に対し最適な提案をしてまいります。

お問い合わせフォームより、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

Daisuke Yamamoto

2014年5月に渡米しNissho USAのManager of Marketing & Business Developmentに着任。主にCloud, Storageエリアを担当。豊富な営業経験から顧客需要を満たすソリューション発掘を得意とする。

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