シリコンバレーテクノロジートレンド 2020.02.26

【米国小売業界トレンド】プーマのホログラフィック広告、メイシーズの格下げほか

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ECサイトの登場で大きな変革が求められている小売業界。今回は2020年2月に米国で注目されている小売業界の最新ニュースをピックアップしてお届けします。

1. プーマのホログラフィックを活用した広告

2020年2月14日から16日にかけて シカゴでNBAオールスター2020イベントが開催されました。全米から注目を集めるこの一大イベントに合わせ、プーマが打ち出した新たな広告が話題を呼んでいます。シカゴランドマークの側に停めた車の上でプーマのスニーカー『スカイドリーマー』の新モデルをホログラフィックで表示したのです。

ホログラフィックを活用したビジネスは多くの可能性を秘めていますが、その1つが今回プーマが実践したOOH(Out of Home)広告です。ホログラフィックを活用することにより、ユーザー側はより具体的にそのものをイメージすることができ、高い広告効果が期待されます。屋外で日々様々な広告を目にしますが、近い将来広告のあり方は更に変化していくでしょう。

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ホログラフィックを活用してスカイドリーマー新モデルを広告

(havas mediaホームページより転載)

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2. 家具小売ピア1インポーツが倒産

58年の歴史を持ち、全米で約1,000店舗を持つ大手家具小売のピア1インポーツがチャプター11(連邦倒産法第11章)の適用を申請しました。現在身売りのため複数の買い手との交渉を進めています。

アマゾンなどのECサイト、複数のD2Cベンダーが登場するなか顧客が同社から物を買うメリットを提供できず競争力がなくなり、売上げが低下したことが主な原因です。多くの小売企業で倒産や縮小が続いている中で、小売業界に変革が必要ということを改めて感じされられる1件です。

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ピア1インポーツ店舗(RETAIL DIVE ウェブサイトより転載)

3. 7-Elevenがレジなし店舗の実証実験を開始

米国7-Elevenが本社を置くテキサス州アービングでレジなし店舗の実証実験を従業員向けに開始することを発表。従来の店員による決済処理を不要として、買う物を持ったまま店を出るだけで決済が自動で完了するため、列に並ぶ必要がなくなる。

7-Elevenでは7NOWなどアプリを活用したデリバリーサービスなど、テクノロジーを駆使し利便性の高いサービスを次々と展開している。

日本でもセブン-イレブン・ジャパンやローソンがレジなし店舗の実証実験を既に開始しています。例えば在庫確認の仕組み、店舗内でのユーザー行動の把握など、決済以外にも店舗内にはまだまだデジタル化ができる部分があります。リテール企業でのデジタル活用の波は更に高くなっていくでしょう。

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7-Eleven店内の様子(Shutterstockより転載)

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4.米国大手百貨店メイシーズがS&P信用格付けダウングレード

S&Pが米国大手百貨店のメイシーズ信用格付けをBBB-からBB+にダウングレードすることを発表しました。1858年創業、全米で850以上の店舗を持つメイシーズですが、この2~3年で約100店舗を閉鎖、2023年までに更に125店舗の閉鎖を予定しています。

大型ショッピングモール型を提供することで成長を遂げてきたメイシーズですが、最近では体験型店舗を増やすことや独自のインフルエンサープログラムを開始するなど様々な施策を打ち出しています。しかし新たなビジネスの柱を見出せていないことが苦戦の理由のようです。相次ぐ百貨店の閉鎖、実店舗に求められる新たな価値を見出すことは簡単ではありません。

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メイシーズ店舗(Shutterstockより転載)

5.ギャップが中古アパレルを提供するスレッドアップと協業発表

中古アパレルをECサイトで提供するスレッドアップとギャップが提携することを発表しました。ギャップ傘下のギャップ、バナナ・リパブリック、ジェニー&ジャック、アスレタ、などに置かれる「クリーンアウトバック」という箱に不要となった服を入れることで、代わりに製品の購入時に使えるクレジッドをもらえるという仕組みを2020年4月から開始します。

2019年にスレッドアップは1億枚をリサイクル、二酸化炭素を87万トンの削減に繋げています。スレッドアップが持つ中古アパレルのプラットフォームをギャップが利用することで地球環境への貢献をすることも協業の目的の1つとなっています。

アパレルという大きな枠組みでは競合という位置付けになる両社ですが、今回の協業はお互いの強みを生かし成長を加速することに繋がるものではないでしょうか。生き残りをかけて統合や協業は今後も続くことが予想されます。

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ギャップ店舗(RETAIL DIVE ウェブサイトより転載)

まとめ

新たなテクノロジーを追うことはもちろん大切ですが、同様に米国企業の動向を追うことも非常に重要です。成長を続けいる企業の特徴は何か、なぜ数年前まで好調だった企業が倒産に追い込まれるのか、継続的に企業の取り組みをウオッチすることで見えてくるものがあります。次回は2020年3月末に小売業界最新ニュースをピックアップしてお届けする予定です。

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以上になります。最後までお読み頂きありがとうございました。

弊社ではイノベーティブなビジネスモデルの創出を目指して、米国企業の取り組みや斬新なスタートアップ発掘を行っています。今回取り上げた小売業界など業界に特化したスタートアップ発掘も開始しております。

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この記事を書いた人

Shuichi Noto

この記事を書いた人

Shuichi Noto

2008年にユニアデックス入社。5年間の大手通信キャリア向けの営業を経験した後、日商エレクトロニクスへ入社。大手OTTの情報システム部門向けにVDIやWeb会議などの働き方改革を促進するソリューションの販売に従事。2019年よりNissho USAに赴任。お客様のビジネスを共創&サポートできるようなソリューションの発掘を目指し日々活動中。担当領域はITインフラ全般、ヘルスケア業界、地域創生など。趣味はゴルフとサッカー。

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