米国ユーザートレンド 2020.05.01

週刊米国ユーザートレンド&注目ニュース~銀行・カード・マネー①~

Weekly News_Banking1

2020年4月最終週の週刊コンテンツは銀行・カード・マネーをとりあげます。

1. Mastercardレポート:これからは非接触型決済がアツい!

COVID-19影響下、街歩きや食品スーパーなど、人と人との距離を2メートル程確保し、お互いの安全に配慮するソーシャルディスタンス(社会的距離)ルールが至るところで浸透していますが、その動きは人と人との社会的距離に限りません。中でも、ここ最近特に注目されているのが非接触型決済です。モバイル端末によるNFCやQR、クレジットカードの非接触機能を活用することで安全面だけでなくスピーディな決済が人気です。Mastercardの調査によると、2020年第一四半期調べで既にこれまでと比較し40%を超える利用率増加があり、かつ現金払いが中心であった少額決済がその殆どを占めるようになったと報告しています。COVID-19以降もこの流れは継続されそうなので、非接触決済市場は激戦区の予感です。

https://www.pymnts.com/mastercard/2020/half-of-consumers-now-using-contactless-payments/?utm_source=editorpicks&utm_medium=hp

2. PPPローンもAIが必要?Bank of America、JP Morganなど大手銀行による中小企業融資承認追いつかず

米国中小企業庁が進める中小企業支援融資であるPPP(Paycheck Protection Program)ローン。PPPとはこのチャレンジングな状況下、一定条件に該当する中小企業や個人事業主に対して国が融資する制度となりますが、実態はその申請数が多すぎて処理が追い付いていません。Bank of AmericaやJP Morganでは各々20万件以上、合計50万件近くの融資申請書を顧客に代わって中小企業庁へ申請しています。残念なのは処理が追い付かないことに加えて、本来融資を優先して受けるべき適格事業主に融資が行き渡らず、大企業や資産に余剰見込のある企業に渡るケースが起こってしまっている点。その効率的な前さばきにAIが活躍しそうな予感がしますが、そんな中、NBAロサンゼルスレイカーズやハンバーガーチェーンのシェイクシャックなど、承認済の融資金を全額返済する動きも起こっています。うまくテクノロジーを活躍しながら乗り切りたいところです。

https://www.cnn.com/2020/04/28/business/bank-of-america-ppp-sba/index.html

3. VISAがモバイル決済サービス「M-Pesa」を運営するSafaricomとパートナーシップを締結

皆さまはM-Pesaをご存知でしょうか。アフリカで大人気のケニヤ発のモバイル決済サービスです。送金、決済、引き出しなど、お金に関する必要取引をデジタルの力で実現します。ケニヤを中心にアフリカ全土で約3000万人近くが利用し、ケニヤ国内GDP50%以上の取引がM-Pesaで実行されているほどの優れものです。そんなM-Pesaが今回VISAとパートナーシップを締結し、グローバル進出に拍車をかけます。既にウエスタンユニオンやPayPalとも提携済のM-Pesaは、VISAがもつ200ヵ国以上のグローバルネットワークと連携することでさらなる事業の拡大を図ります。どのような連携が見られるのかヴェールに包まれている状況ですが、主にE-Commerce取引での活躍が期待されているようです。発展途上国のイメージが強いアフリカから、世界規模で通用するサービスが実現することは非常に夢のある素晴らしいことですね。

https://techcrunch.com/2020/04/30/visa-and-kenyas-safaricom-partner-on-m-pesa-payments-and-tech/

4.【体験談】米大人気のファストフード店「Chick-Fil-A」のドライブスルー決済は自撮り棒スタイル

フライドチキンハンバーガーやチキンナゲットを販売するファストフード「Chick-Fil-A」がミールキットの販売を開始します。テイクアウトして、家庭で簡単に調理ができる調理キットです。実はここ最近ベイエリアで増えているのが、完成した料理をテイクアウトするのではなく、レシピ、材料やキットを販売するレストランです。限られた環境の中で各社工夫を凝らしているのが良く分かります。そんなChick-Fil-Aで私が実体験したのが自撮り棒を使ったドライブスルーでのカード決済でした。ソーシャルディスタンス確保のため、決済時にスタッフが自撮り棒にコンパクトな決済端末を取り付け、差し出してくれました。モバイル端末で非接触型決済という手段もありますが、物理的なクレジットカードを使う場合の感染防止策です。最先端っぽさには少し欠けますが、シンプルながら非常に分かりやすい解決策だと感じました。

https://www.msn.com/en-us/foodanddrink/foodnews/chick-fil-a-is-launching-its-meal-kit-nationwide-for-the-first-time/ar-BB13qxsl

まとめ

いずれの業界もCOVID-19の話題が続きますが、後ろ向きな話題だけではありません。
特に金融サービス業界は非接触型決済技術のようにテクノロジー採用にも積極的ですし、実は投資や人材採用が加速しています。ピンチをチャンスにかえ、限られた環境の中で工夫を凝らすサービスも続々と登場していくるはずです。シリコンバレーエリアでも自宅退避オーダーが5月末まで延長され、まだまだ不安定な状態が続きそうですが、業界の動きには今まで以上に注視しておきたいと思います。

この記事を書いた人

Nobuyuki Komatsu

この記事を書いた人

Nobuyuki Komatsu

2004年、日商エレクトロニクス入社。JuniperやBrocade、Viptelaなどネットワークを軸としたインフラ製品の事業推進や新規ベンダー立ち上げに関与。2017年10月よりサンノゼ赴任。シリコンバレーで得られる最新の情報を発信しつつ、新たなビジネスモデル開発に向け日々奮闘中。2020年現在の担当領域は、クラウドやフィンテック、インシュアテックなど。バスケットボールとキャンプが趣味。

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