米国イノベーティブカンパニー 2020.06.26

週刊ユーザートレンド&注目ニュース特別編~ヘルスケア from Collision2020~

CollisionFromHome

6月第4週の週刊コンテンツは、カナダトロントで開催された「Collision」カンファレンスよりヘルスケアトピックを取り上げます。

1. Collision Conferenceピッチコンテスト優勝者は糖尿病対策の「GlucoActive」

今週カナダトロントで3日間にわたり開催されたテックカンファレンス「Collision」。今年はCOVID-19の影響もあり、「Collision from Home」と題して全てオンラインで開催されました。注目はやはり世界中から集まったスタートアップ企業によるピッチコンテスト。今年の優勝者は糖尿病対策を実現するポーランドのスタートアップ「GlucoActive」でした。彼らは、これまでの採血による痛みを伴う血糖値試験方法を改め、レーザーによる画期的な血糖値診断を可能とするツールを開発しています。糖尿病に悩まれる患者さんは世界人口の約10%に至る一方で、最大20%の方々が未診断の状況だといいます。それが原因で無くなってしまう方も年間370万人にも及ぶということで、「GlucoActive」はそのような世界的な医療問題を解決していきます。現在はクリニックでのトライアル段階ですが、世界が注目するこの技術の商用化を待ち望んでいる方々が数多くいらっしゃいます。早期実現に期待です。

https://finance.yahoo.com/news/collision-home-testing-testing-medtech-203000092.html

2. カナダ、COVID-19追跡アプリをApple, GoogleのAPIベースに構築、7月よりテスト開始

「Collision」カンファレンスでは恒例ですが、ジャスティン・トルドー首相が3日間の締めくくりとして今年も登壇しました。メッセージの1つとして触れられていたのがCOVID-19の感染拡大を防止する感染追跡アプリに関してです。カナダは、AppleとGoogleのAPIをベースに同アプリを構築することを決定し、カナダを代表するテック企業であるBlackberry、Shopifyや政府関係機関と協力しアプリ開発に努めています。特徴はGPSを利用せずBluetoothを活用すること、またカナダ国民への強制ではなく任意利用が原則になっていることです。GPSでは個人情報の特定につながり、セキュリティ脆弱性にも弱いですし、何より任意というのが重要なのでしょう。ボランティア的に国民が参加することで国民一人一人の意思を尊重しつつ、対策にのぞみます。カナダでは約3000万台のスマホが流通し、その50%でも今回のアプリをダウンロードをしてくれれば、大幅に感染抑制につながるとトルドー氏は訴えています。各国が本件で実施する様々な経験を踏まえた本決断、うまくいくことを期待したいです。

https://9to5mac.com/2020/06/18/canada-national-contact-tracing-app-apple-api/

3. Amazon Alexa、医療現場で大活躍。音声アシスタントの価値がますます向上する

COVID-19下での音声アシスタントに関する話題はトピックとして多かったように思います。今回のパンデミックで病院での利用シーンが増えたとのこと。Amazon自身、医療機関へAlexaをスクリーンとあわせて約1万台以上寄付し、ヘルスケアサポートに役立てました。病室にAlexaとスクリーンを配備し、仮にその場にドクターと看護師さんがいなくとも、患者さんとのコミュニケーションを遠隔サポートしています。ドクターや看護師さんのリソース不足をテクノロジーが補完することになります。情報の正確性という部分にも焦点があてられました。COVID-19に関する情報1つをとっても、世の中には様々な情報があふれかえっており、どの情報が正なのか中々把握しづらい状況下、Alexaはあらゆる情報ソースから正確なものをピックアップし伝えることに専念しています。今後Alexaは単なるAIによる音声アシスタントという位置づけから、さらに知的な存在へと変わっていくというメッセージもあり更なるアップデートが楽しみです。

4. 健康保険のAnthem、Amazon Alexaを活用した「Alexa Skill」をリリース

Amazon Alexaの活躍事例を1つ取り上げます。
米健康保険会社のAnthemが、会員に向けた顧客エンゲージメント向上のために、音声アシスタントAmazon Alexaを活用した「Anthem Skill」を発表しました。Amazon AlexaのHIPPAコンプライアンス準拠への貢献が、医療、ヘルスケア分野における同サービスの活性化につながっています。Anthem会員はスマートフォンを介してEchoやAlexaアプリなどの対応デバイスとアカウント連携させることで、健康保険特典、医療費払い戻し、控除額情報、処方箋の補充に関する注文などを行えるようになります。米Healthcare Finance Newsによると、2019年度米国の4人のうち1人は自分が加入している保険で医療サービスをどこまでカバーしてもらえるのか把握しておらず、診断を躊躇してしまうとか。これにより、タイムリーな診断を受けられず重症に至るケースもあります。音声という身近で便利なツールを活用し、ヘルスケア情報に簡単にアクセスできることで、国民一人一人のヘルスケアリテラシー向上にもつながりそうです。

https://www.businessinsider.com/anthem-launches-alexa-powered-voice-tool-2020-6

まとめ

今回は米人気テックカンファレンス「Collision」よりヘルスケア分野のトピックを少し取り上げてみました。「Collision」のオンライン開催は今回初でしたが、セッションも10分~15分と工夫され視聴者が飽きないようなプログラムになっていたと思います。また、昨今の状況を踏まえ、これまで以上にヘルスケア、メディカル分野の話題が多かったように感じました。アフターコロナにおける新たなテクノロジーの活躍は目が離せません。でも、個人的にはやはりオンラインより現地で参加したかったなというのが正直な気持ちです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

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Nobuyuki Komatsu

2004年、日商エレクトロニクス入社。JuniperやBrocade、Viptelaなどネットワークを軸としたインフラ製品の事業推進や新規ベンダー立ち上げに関与。2017年10月よりサンノゼ赴任。シリコンバレーで得られる最新の情報を発信しつつ、新たなビジネスモデル開発に向け日々奮闘中。2020年現在の担当領域は、クラウドやフィンテック、インシュアテックなど。バスケットボールとキャンプが趣味。

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