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Blog 03/12/2018 Nobuyuki Komatsu

Docker(ドッカー)コンテナ基盤利活用のおさえどころ – eBay、IBM、MetLife等のユーザ事例を紹介

こんにちは、Nissho Electronics USAの小松です。

米国赴任開始より間もなく半年を迎え、生活にもようやく慣れてきたこの頃、休日を活用して和太鼓教室に通い始めました。日本以外の国で、かつ外国講師の方から日本文化を学ぶというのは少し不思議な感じがしますが、筋肉痛に耐えながら楽しく学んでいます。

さて今回は、クラウドやソフトウェアサービス開発に携わる方々は日々耳にする『コンテナ』をトピックとして取り上げたいと思います。マイクロサービスやサーバーレス化に伴い、コンテナ活用を検討される方が増える中、毎年ケーススタディの発表が多く見られる『Container World 2018』展示会で筆者がユーザ企業等に学んだ利活用時のポイントをいくつかご紹介します。

関連記事:VMwareとどう違う?Docker(ドッカー)に見るコンテナ型仮想化サービス

UberやLyft、eBayでも商用採用されている『Kubernetes』

container2018-1Container World 2018 セッションより

コンテナを利活用する際に、まず最初におさえておきたいポイントが『オーケストレーション』、いわゆる設定や管理の自動化を提供するプラットフォームです。

コンテナは、その手軽さや利便性から既にユーザ企業の商用環境で多く利用され始めた一方で、運用の煩雑化が課題になっていました。それを解決するプラットフォームが『Kubernetes』です。コンテナの自動デプロイ、クラスタ化、スケーラビリティや自動復旧等、運用面を支える便利な機能を提供します。

既にグローバル企業トップ100(Fortune100)に入る企業の約7割(*)がコンテナを商用環境で利用し、うち半数がオーケストレーションツールとしてKubernetesを採用しています。e-Commerce大手のeBayを例にあげると、同社クラウド型ストリーミングプラットフォーム上では以下3つのポイントから商用利用が始まりました。

  • Containerize(瞬時デプロイやリソースアロケーション)
  • Operation(パッチやアップグレードが容易)
  • Cloud Native(インフラレイヤーとの分離によるアプリケーション特化が可能)

container2018-2Container World 2018 セッションより

また、つい先日Kubernetes活性化の立役者であるCloud Native Computing Project(以下CNCF)が同オープンソースプロジェクトにおいて、Kubernetesを一定の成熟を迎えた第一の卒業プロジェクトに認定しました。Kubernetesはコンテナ利活用においては欠かすことのできない存在になっています。

*Redmonk, a developer-focused research 参照

IBM Cloudが選んだ『Istio』サービスメッシュ

コンテナオーケストレーションの次におさえるべきは、コンテナをとりまくサービス全体をどのように運用、管理していくか、という点です。そこで登場するのがサービスメッシュという考え方です。サービスメッシュは、コンテナで構築された種々のサービス間連携を意味し、ルーティングルールやロードバランスの実現、暗号化通信や認証、ポリシーの設定、そして全体のモニタリング、冗長性を担保する等の技術総称を指します。

container2018-4Container World 2018 セッションより

特に最近コンテナ関連のイベントで注目されているのが、IBM Cloudが採用した『Istio』サービスメッシュです。Istioは自身で採用したIBM社に加えて、Google社、Lyft社共同で開発されたオープンソースソフトウェアです。Kubernetesとセットで利用することで、コンテナ、特にマイクロサービス環境で効果を発揮するサービスメッシュツールとして徐々に知名度を上げています。Kubernetesと同じくCNCFの一員であるため、今後は他プロジェクトとの連携もより活発になっていくでしょう。コンテナ基盤の利用効率向上に向けて重要な役割を担います。

忘れてはいけない土管役のネットワーク

従来の仮想マシン型とコンテナ型基盤をどう共存させるかはネットワークの重要な要素です。CalicoやCNI等、CNCFで議論されているネットワーキングプロジェクトは複数ありますが、コンテナ基盤のみに焦点が当たりがちです。細部に目を向けると、サービスやアプリケーション特性により仮想マシン型なのか、コンテナ型なのか、あるいは共存が良いのか考慮していく必要があります。さらに、中でも接続方式においてLayer2接続が適しているのか、Layer3接続なのかも同様に検討すべきです。

そこで、最近チャレンジが進みつつあるのがハイブリッドデプロイメントという考え方です。Ericsson社の事例では、OpenStack/NeutronとCNCF/CNIを同一環境で共存させる方法で上記の課題を解決していく手法を提言しています。サービスやアプリケーションの特性に応じて、いずれのネットワークに属させるかを柔軟に使い分け、必要に応じて両者を行き来するようなやり方です。

container2018-5Container World 2018 セッションより

データベース、ロギングやランタイム等、他にも検討すべき事項はありますが、コンテナ基盤の土管を担うネットワークのあり方はおさえておくべきポイントです。

MetLifeに学ぶ"Fail Fast"カルチャーと"Diversity"チーム

保険業で有名なMetLife社も実は商用環境でコンテナを活用しています。

現在400以上の保険関連のシステムレコードを保有する同社の課題は、世の中がデジタルトランスフォーメーション(DX)に向かう中で、自社内の変革スピードが非常にゆっくりであることでした。彼らはコンテナを活用したマイクロサービス化を進めることで、市場への商品リリースまでに従来2年を要していたものを5ヶ月に短縮し、さらにはインフラコストを約6~7割削減できると見込んでいます。

container2018-6Container World 2018 セッションより

コンテナ基盤の活用等、新たな技術の採用はDXへの第一歩ですが、筆者が共感したのは彼らの仕事への取り組み方です。1つは"Fail Fast, Learn Fast, Succeed Fast"という姿勢で、「成功への近道は、早く失敗して早く学ぶこと」と勝手ながら読み解きました。

もう1つは、"Diversity"チームを編成すること。チャレンジには「多様性」を重視した、つまり育ってきた、働いてきた環境や境遇、性別や年齢、ナレッジの異なる人員でのチーム編成をすることで新たなものを生み出しやすいということです。ソフトウェアサービス開発の現場では、専門集団によるアウトプットが効率的のように思えますが、カルチャーやチーム編成にも工夫を加えることで今までにない新たなサービスが生まれるのです。

おわりに

今回はコンテナに関するトピックを寄稿させていただきましたがいかがでしたでしょうか。CNCFプロジェクトが良い例ですが、コミュニティが活性化し、様々なプロジェクトが立ちあがり技術的に便利になる一方で、実際にそれらを利用するユーザ企業の中で技術習得に戸惑われる方もいらっしゃると思います。我々日商エレクトロニクスでは少しでもそのようなお客様へ助言と技術サポートができるよう日々技術習得に励んでおります。

最後までお読みいただきありがとうございました。Nissho Electronics USAではシリコンバレーから旬な最新情報を提供しています。 こんなことを調べてほしい!などございましたら問い合わせページよりぜひご連絡ください。

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Nobuyuki Komatsu

Nobuyuki Komatsu

2017 年 10 月より Nissho USA 着任。Layer1 から Layer7 まで通信事業者向け製品畑で育ち、得意分野はネットワーク。自称ミーハー且つ物怖じしない性格で、入社以来新規ベンダー立ち上げにも積極的に関与。シリコンバレーでも多くのコミュニティーに参加し、最新情報を吸収し発信したいと考えている。バスケが趣味だが、ゴルフ鍛錬開始。

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