イノベーティブ・スタートアップ 2021.04.26

【Collision2021速報】新たなマッチングアプリも!スタートアップピッチセミファイナリスト6社

世界最大級のテックカンファレンス「WEB Summit」北米版として人気のカンファレンスCollisionが4月20日から22日にかけてオンラインで開催されました。今回で8回目を迎えるCollisionは約140カ国から約38,000人超がオンラインで参加し、各社トップの講演はもちろん、著名人に誰でもチャットで質問ができるQAセッションなどもあり盛り上がりました。今回はカンファレンスの目玉であるスタートアップ企業によるピッチイベントでセミファイナルに残った6社を紹介したいと思います。

関連記事:【SXSW2021速報】スタートアップピッチアワードの受賞企業8社をご紹介!
関連記事:FinOpsスタートアップに注目!Yコンビネーター 2021年冬デモ・デー速報

注目のスタートアップによるピッチイベント

1日目に事前の審査と予選を勝ち抜いたスタートアップ57社が2分間のピッチを行い、その中から6社が2日目のセミファイナルに進みました。通常イベントのピッチイベントではプレゼンテーションを使って説明することが多いのですが、今回のピッチでは資料を一切使わずにトークのみで行われました。さらに審査員から質問やコメントはあるものの、その場で回答するという時間が設けられていなかった点も特徴的でした。

それでは早速セミファイナルに選ばれた6社をご紹介していきたいと思います。

breathing.ai(米国)

長時間パソコンに向かって仕事をしている人の多くは、精神的疲労や眼精疲労を経験したことがあると言われています。特にこの1年で在宅勤務の浸透や会議のオンライン化などで、パソコンに向う時間が増えた人は多いのではないでしょうか。

breathing.aiはそのような人たちの健康をサポートするヘルスケアスタートアップです。パソコンのカメラを使って表情から心拍数や呼吸数などを認識してリアルタイムにユーザーのストレス度を検知し、1~3分程度で実施できるガイド付きの瞑想や座位での運動などを提案しますほかにもユーザーが落ち着く色を学習し、心拍数に応じて画面の色を変化させてリラックスを促す機能もあります。breathing.aiはChromeの拡張機能で提供されており、現在はWaitlist待ちとなっています。

salesbeat(米国)

スーパーなどの商品入荷担当者のなかには、飲料や食品など短期間で消費される製品の在庫をつい切らしてしまうという経験が少なからずあるようです。過去の販売データや経験をもとにした予想だけでは限界がある中、そんな問題を解決するのがsalesbeatのアプリBeatです。このアプリではAIを活用して過去の販売データや市場動向などの情報を収集し、分析しデータから必要なアクションやプロモーションを行うタイミングなどを提案します。し。またBeatに様々な分析を任せることで、接客や戦略立案により多くの時間を避けるようになります。料金は1ヶ月約15000円のサブスクリプションで、無料トライアルも用意されています。

EQUO(ベトナム)

2019年の同カンファレンスのスタートアップピッチで優勝したのは100%プラスチックフリーで海藻からストローを作るLoliwareでした。日本でもスターバックスなどがプラスチック製から紙製のストローへ切り替えるなど、環境に易しい素材を活用するというトレンドが広まっています。そのような中、今回セミファイナルに選ばれたEQUOもLoliwareと同様に100%天然素材のストローやナイフ&フォークを提供するベトナム発のスタートアップです。価格は製品にもよりますが100%天然素材のストローが50本で約1200円となり、2500円以上の購入で送料が無料となります。現在はベトナム・米国向けに製品を提供しています。

Dondo(コロンビア)

中南米では歴史的なインフレの影響で、欲しいものを通貨で購入するのではなく物々交換を行うことが増えています。しかし信頼できる物々交換プラットフォームがなく、「お互いに交換する物やサービスが対等かどうかわからない」などの問題があります。そこでDondoでは、そんな問題を解決するアプリを開発しました。このアプリで交換できるのは物・サービス・お金の3つで、1対1ではなく、N対Nで交換する仕組みです。さらに個人の信用スコアを可視化する機能やユーザーのプロフィールや犯罪歴のチェックを行うなどユーザーが安心して物々交換を行えるアプリを提供し人々の生活を支えています。

MixPose(米国)

新型コロナウイルスの影響で自宅でのフィットネスを行う人が増加している中、MixPoseは自宅でできるオンラインヨガのサービスを提供します。既に多くのオンラインフィットネスサービスがヨガクラスを提供していますが、MixPoseが特徴的なのは画像認識とAIを使ってユーザーの姿勢をチェックするという点です。ヨガ中に正しいポーズを取れているかどうか自分で確認するのは限界がありますが、このサービスなら自宅でもより効果的にヨガを行うことができます。またインストラクターから直接指導を受けることもできるほか、さまざまなヨガインストラクターのクラスが用意されているため、ヨガ初心者から上級者まで活用できるサービスとなっています。

Couply(カナダ)

2021年2月にマッチングアプリのBumbleが上場するなど、アプリを活用して恋人や友達などの新たな出会いを生み出すマッチング市場が成長を続けています。すでにマッチングアプリは数多くある中、Couplyが提供するのは交際を開始した後に関係をより深めることにフォーカスをしたアプリです。例えばパーソナルクイズを出すことでお互いの理解を深めることを手助けするほか、そのクイズから得た情報を元にパーソナライズされた交際のアドバイスやプレゼントのアイデアなどを提案します。Couplyを使うことでお互いに新たな気付きを得てより良い関係を築くことができるかもしれません。

関連記事:スタートアップの祭典 Collision Conference 2018初潜入 -ピッチファイナリストに見る新トレンド-

NisshoUSA注目ポイント

最終的にアワードを獲得したのは交際開始後により良い関係を築くことを支援するCouplyでした。正直Couplyが選ばれたのは意外だったのですが、以前20代前半の新入社員からマッチングアプリの利用に抵抗はなく知り合いに隠すことでもないという話を聞いていたことや、私の子供もフォートナイト内で友達と会話をしている様子を見ていると、アプリやオンライン上で愛情や友情を育む文化がすでに根付いているのかもしれないと感じるようになりました。日本でも多くのマッチングアプリがある中で、新たなに出会った人と愛情を育むツールとしてCouplyは受け入れらるのではないでしょうか。

Nissho USAは、シリコンバレーで35年以上にわたり活動し、米国での最新のDX事例の紹介や、斬新なスタートアップの発掘並びに日本企業とのマッチングサービスを提供しています。紹介した事例を詳しく知りたい方や、スタートアップ企業との協業をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

関連記事:MITが発表!2021年の躍進する10大テクノロジー

この記事を書いた人

この記事を書いた人

Shuichi Noto

2008年にユニアデックス入社。5年間の大手通信キャリア向けの営業を経験した後、日商エレクトロニクスへ入社。大手OTTの情報システム部門向けにVDIやWeb会議などの働き方改革を促進するソリューションの販売に従事。2019年よりNissho USAに赴任。お客様のビジネスを共創&サポートできるようなソリューションの発掘を目指し日々活動中。担当領域はITインフラ全般、ヘルスケア業界、地域創生など。趣味はゴルフとサッカー。

この記事をシェアする

私たちと話しませんか?