DXを支援する注目スタートアップ 2020.05.28

医療データAPIでヘルスケアサービスを効率化するParticle Health

医療やヘルスケアサービスの効率化は、COVID-19のパンデミック以降、今後さらに各国が真剣に取り組むべき分野です。いざという時に医療やヘルスケア機関を頼っても、現場は医療情報不足でスピーディに医療サービスを受けられないという問題が実際に米国でも起きています。

今回は、そんな課題の解決を目指して医療やヘルスケアサービスを効率化するスタートアップ、Particle Healthをご紹介します。

患者の情報をどこからでもスピーディに参照できる全米データネットワーク

いまやAPIはあらゆる業界で話題に上るテクノロジーです。その特徴は、APIを通してデータをつなぎあわせることでサービスやアプリが簡単に実現できること。例えばUberアプリは、APIを通してGoogle Map、決済、飲食店データなど、様々なデータをつなぎあわせて1つのサービスとして機能しています。

米国は医療へのIT活用が進んでいます。 日本と異なり国民皆保険というわけではないので制度や料金制度の違いはありますが、例えばオバマケア時代の電子カルテ用補助金など、システム連携という観点である程度浸透させやすい土台や仕組みが充実していると言えます。

Particle Healthは、同社が開発したAPIを通して、テレヘルス、クリニック、薬局などの医療サービス提供者と、患者の医療データを保有している医療サービス機関(例えば米CommonWellやathenahealthなど)をつなぐことで医療サービスをスピーディに提供します。同社のすごいところは、既に米国内約2億5千万人もの医療データを保有していることです。

また、通常医療データを何かのサービスに活用する際は、コンプライアンスの関係でBAAと呼ばれる事業提携契約が必要です。複数の医療機関のデータを参照する場合は、すべての会社とBAAを結ばなくてはならないところ、同社は1つ代表契約のようなものを締結すれば済んでしまう仕組みをつくっています。

これにより、クリニックや薬局は、自分たちがもっているシステムにParticle HealthのAPIをつなげることで、患者の医療機関受診履歴、薬の処方履歴、病歴、個人情報などを即座に参照し、スピーディかつ効率的なヘルスケアサービス提供ができます。

Nissho USA注目ポイント

デジタル化やDX実現のためにはAPIは欠かせないテクノロジーの1つです。フィンテックサービスが今ほどトレンドになっている理由は、APIによりあらゆるデータがつながった結果、著しく顧客体験が向上した為です。金融業界ではAPIを介したオープンバンキングの流れが一般的になり、日本も徐々にAPIに対して寛容になってきたように思いますが、この流れは金融機関や金融サービスに限りません。

同様の流れは保険やヘルスケア業界にもいずれ訪れると考えられます。残念なことに日本は医療データのデジタル化という観点では他国に遅れをとっているかもしれませんが、遅かれ早かれ時間の問題でしょう。フィンテック界APIの重鎮であるPlaid(VISAにより買収)、Stripeのような有名スタートアップが、いずれ医療やヘルスケア分野でも誕生するのでは?と期待をもって注目しています。

会社概要

設立年 2018年
所在地 米ニューヨーク州ニューヨーク
従業員 10名程度
創設者 Troy Bannister(CEO&Founder)
資金調達 $14.3M(2020年5月現在)
VC Menlo Venturesほか
URL https://www.particlehealth.com/

※crunchbaseデータベース参照

最後までお読みいただきありがとうございました。 弊社ではイノベーティブなビジネスモデルの創出を目指して、米国企業の取り組みや斬新なスタートアップ発掘を行っています。是非お気軽にお問い合わせください。 弊社へのお問い合わせはこちらのフォームよりお気軽にご連絡ください。

この記事を書いた人

Nobuyuki Komatsu

この記事を書いた人

Nobuyuki Komatsu

2004年、日商エレクトロニクス入社。JuniperやBrocade、Viptelaなどネットワークを軸としたインフラ製品の事業推進や新規ベンダー立ち上げに関与。2017年10月よりサンノゼ赴任。シリコンバレーで得られる最新の情報を発信しつつ、新たなビジネスモデル開発に向け日々奮闘中。2020年現在の担当領域は、クラウドやフィンテック、インシュアテックなど。バスケットボールとキャンプが趣味。

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