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Blog 07/23/2018 Team Nelco

ラストワンマイルデリバリー戦略!ロボティクスと流通の今後

物流システムが整っている日本ではだいぶ前から当日配送がデフォルトの選択肢になっています。そして国土が日本の何倍も広いアメリカでも、Amazonの存在で、最近では2日以内に商品の発送が行われる"2-Day Shipping"のサービスがすっかりユーザーたちの間で当たり前の存在になってきました。こうした背景から、商品到着までにかかる時間に対するユーザーの期待値は高くなり、他社でもそれに準じた速さが求められるようになっています。

そのため、いかにスピーディーかつ効率的に、商品をユーザーに届けられるかというところが、アメリカのロジスティック周辺企業を中心にホットな話題となっています。その中でも特に注目されているのが、ラストマイルデリバリーの効率化です。

関連記事:アメリカの最新貨物輸送業界IT事情とは

ラストワンマイルデリバリーとは

ラストワンマイルとは直訳すると「最後の1マイル」という意味になりますが、このような物流ロジスティクスの話題の場合は、最寄りの基地局から利用者までを結ぶ最後の区間という意味になります。したがって、ラストマイルデリバリーの効率化とは、供給側の手を離れ、ユーザーの手に届くまでの最後の配達部分をいかに効率的に行うかということになります。

現在、アメリカのサンフランシスコを中心にこの部分のサービス強化を目的とするスタートアップが次々に誕生しています。例えば、Delivは、配送者をクラウドソーシングして店舗や商品の中継地などから、商品を待つユーザーの家までの輸送を効率的にさせようとしています。日本では、すでに当たり前かもしれませんが、国土の広いアメリカにおいて、当日配達や時間指定も可能にしたことが評価されているスタートアップで、APIとしての側面も持っています。

Delivは、配達者のクラウドソーシングという形でラストワンマイルデリバリーの効率化を実現させていますが、人間ではなくロボットに配達させるという方法で課題に立ち向かうスタートアップも続々登場しています。この記事では、ロボット×ラストワンマイルデリバリーをテーマに取り組むスタートアップを3社紹介していきます。

ロボット×ラストワンマイルデリバリー3社

1. Marble:フードデリバリーからラストマイルロジスティクスの世界へ (2015年創設、San Francisco, CA)

Marbelは、昨年2017年、自動走行ロボットを実際にサンフランシスコの街を走らせ始め話題になったスタートアップです。彼らはレストランやショップのレビューサイトを運営するYelpとパートナーシップを組み、自動走行ロボットにレストランからオフィスや自宅へと食事を宅配させることに成功しました。ロボットには、食事の温度を保ったままお届けできる機能や、周りの歩行者や障害物を察知して走行できるようなセンサーを搭載しており、実際に多くの人々が利用していたようです。昨年末、市の規制が強化されロボットが走行する姿は一時的に見られなくはなっていますが、Marbelは、このようなロボットの実用可能性を実証した例を作ったと言えるでしょう。

フードデリバリーロボットの会社として認識されているMarbelですが、先日ついにフードだけでなく、eコマースなどのラストマイル区間の商品配送などにも手を伸ばして行くと発表しました。CEOのMatthew Delaney氏は「フードデリバリーの事業では、多くの人々がオフィスでのランチデリバリーなどにロボットを利用したが、これからはお年寄りや小さな子供も当たり前のようにデリバリーロボットを使えるような社会にしていきたい」とTech Crunchに語っています。

marble

2. Udelv:自動運転のデリバリートラック(2017年創設、Burlingame, CA)

Udelvは、ラストマイルデリバリーのために誕生した自動運転のトラックを介してラストマイルロジスティクスの効率化に取り組むスタートアップです。2018年1月には、公道では世界初となる、自動運転車によるラストマイル配達の試験運転をサンマテオで成功させました。現在は花屋、ペイストリーショップ、薬局、レストランなどを含むサンフランシスコ・ベイエリアの9社がクライアントとしてUdelvのサービスを利用しています。

ユーザーは、スマートフォンにダウンロードしたUdelvのアプリから商品の注文を行い、商品が近づくと通知を受け取って外で待機、トラックから自分の商品を取り出して終了となります。とてもシンプルな流れで得られるユーザー体験が特徴です。

無人での試験運転以外にも、緊急時などの対応も可能なように遠隔地からの安全操作のシステムが整っていますが、現状ではまだ車に人が乗った状態での運送を行っているようです。このようにUdelvはロボットによるラストワンマイルデリバリーの実現を着実進めています。

udelv

3. Nuro:ローカルコミュニティでの消費活動に切り込む運び屋ロボティクス (2016年創設、Mountain View, CA)

最後に紹介するNuroは、今年2018年1月にシリーズAとして9200万ドルの投資金を獲得したばかりで、ローカルコミュニティでの消費活動に着目したスタートアップとして注目されています。彼らは、日用品のちょっとした買い出しやクリーニングの受け取りなど、「歩いて行くには少し遠いから車で」というようなシーンで、オンデマンドに配達の注文・受け取りができる自動走行車型ロボットシステムの開発を行っています。

NuroはGoogleのセルフドライビングカープログラムの一環としてスタートし、現在は独立して製品・サービスの開発を行っています。まだ公開されている情報が少ないスタートアップですが、今年6月には、大手食品卸売のKrogerと提携を発表し、ビジネスとしても着々と動きを見せはじめています。

nuro

流通業界におけるロボティクスの今後

ラストワンマイルデリバリーの効率化に対し、ロボティクスの力を使って取り組むスタートアップを3社紹介しましたが、他にも数多くの会社が同様のフィールドに誕生しています。政府の規制が多く、ロボットが公道を走って利用者の元まで商品を届けるのには、まだまだハードルが高いようにも見えますが、ここに挙げた3社のように技術開発や供給サイドとのパートナーシップ構築、自動化はせずともユーザーの獲得を先に進め、実用化までギリギリのところまで本気で迫るスタートアップが存在しているのは事実です。デリバリーロボットが社会の当たり前になるのもそう遠くはないはずです。

eコマースが普及し、即日配達など、よりスピーディで便利な配達がユーザーにとって当たり前のサービスと認識され始める一方、商品の運搬など単純な肉体労働が伴う仕事を希望する労働者が減っているという傾向がすでに先進国を中心に見受けられています。日本でも運送業に限らず、近い将来の労働力不足が懸念されていますが、そういった面から見ても、ロボットがラストマイルのロジスティクスに導入されれば、大きな社会的な変革が生まれることになるのではないでしょうか。

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