シリコンバレーテクノロジー 2021.05.12

リモート採用を支えるHRテック企業も!2021年4月に生まれた注目のユニコーン企業

2021年4月には39社ものユニコーン企業が生まれました。ユニコーン企業とは、設立10年以内で評価額$10M(約1,050億円)以上の非上場企業を指します。この4月にユニコーンとなった企業の顔ぶれで特徴的だったのは39社中6社がインドの企業で、米国に次いで2番目に多かったという点でした。ここでは北米の企業を中心にピックアップしてお届けします。

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Benchiling(評価額$4B/約4,200億円)

研究内容が複雑化しているライフサイエンス業界では構造化されたプラットフォームがなく、研究や調査の効率が悪い問題を抱えていました。Benchilingはそのような問題の解決を目指したライフサイエンス業界向けのプラットフォームを提供しています。さまざまなデータソースからデータを収集し可視化するなどの機能を備えているため、研究者は手間をかけずに必要な情報にアクセスでき、研究に集中できるようになります。

ActiveCampaign(評価額$3B/約3,150億円)

ActiveCampaignは中小企業向けにセールスとマーケティングを自動化するツールをクラウドで提供します。CRM(顧客関係管理)に関わる業務プロセスを自動化することでマーケティング施策の効率を上げるほか、誰でも質の高いニュースレターを作れる機能などを備えています。新型コロナウイルスの影響で人々の購買行動が変化していく中で、ActiveCampaignのようなマーケティングツールはより重要になってくるでしょう。

Hive(評価額$2B/約2,100億円)

Hiveはテキストや画像などのモデレーション機能をAPIで提供をするAPIファースト企業です。様々なサービスがオンライン化しビジネスが拡大していく中、自社プラットフォームに不適切な画像や動画がアップロードされていないかチェックできるようにしたい時、HiveのサービスとAPI接続すれば簡単にその機能を実装することができます。そのほか、音声を認識して文字起こしを行う機能やOCR(光学文字認識)なども提供しています。

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GupShup(評価額$1.4B/約1,470億円)

GupShupはチャットボット機能を提供するメッセージングプラットフォーム企業です。その特徴はシングルAPIで簡単にFacebookメッセンジャーやLINEなど様々なチャネルと接続できる点です。GupShupのようなツールを活用して様々なメッセージングツサービスに対応することで、ユーザーとのタッチポイントを増やし顧客体験向上につなげることができるかもしれません。

Deel(評価額$1.3B/約1,365億円)

Deelは企業の給与の支払いやその国々での税務コンプライアンスなどをサポートするHRテック企業です。新型コロナウイルスの影響でリモートワークが加速し、場所を問わず世界中の人々を採用しやすくなった一方、それらの国々の税務コンプライアンスなどに対応することが新たな課題となりました。既に150ヵ国、100以上の通貨に対応しているDeelのプラットフォームを活用すれば、企業は世界中の人材を積極的に雇用できる環境が手に入ります。

Vectra AI(評価額$1.2B/約1,260億円)

ファイヤーウォールやサンドボックスなどの従来型の境界線防御、アンチウイルスなどのエンドポイント防御だけではサイバー攻撃を防ぐことが困難になった中、Vectra AIが提供するのはネットワーク内部に潜在する脅威をいち早く発見して迅速に対応するセキュリティプラットフォームです。悪意のあるユーザーが社内システムに侵入した場合、その動きを分析して脅威のリスクを判定して対応します。サイバー攻撃の手法が高度化する中、Vectra AIのように社内ネットワークに侵入された前提でどのように対応するかという考えも必要になってくるでしょう。

NisshoUSA注目ポイント

私がこの中で最も注目したのは世界中の採用をサポートするDeelです。米国ではワクチン接種が本格的に開始され通常の生活に戻りつつある中、多くの人がリモートワークを好んで継続していることが多いように思えます。新型コロナウイルスが完全に去った後でもある一定の割合でリモートワークが継続されると想定される中、住んでいる場所・国を問わずに人材を採用することは新たなトレンドになるかもしれません。Deelのようなプラットフォームの登場でそのような動きがより活性化しそうです。

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最後までお読みいただきありがとうございました。
Nissho USAは、シリコンバレーで35年以上にわたり活動し、米国での最新のDX事例の紹介や、斬新なスタートアップの発掘並びに日本企業とのマッチングサービスを提供しています。紹介した事例を詳しく知りたい方や、スタートアップ企業との協業をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

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Shuichi Noto

2008年にユニアデックス入社。5年間の大手通信キャリア向けの営業を経験した後、日商エレクトロニクスへ入社。大手OTTの情報システム部門向けにVDIやWeb会議などの働き方改革を促進するソリューションの販売に従事。2019年よりNissho USAに赴任。お客様のビジネスを共創&サポートできるようなソリューションの発掘を目指し日々活動中。担当領域はITインフラ全般、ヘルスケア業界、地域創生など。趣味はゴルフとサッカー。

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