イノベーティブ・スタートアップ 2021.05.26

Zoom CEO エリック・ユアン氏が2021年に投資した注目スタートアップ4社

先日、Zoom社が他社サービスとの連携やZoomエコシステムの拡大などを目的とした1億ドル(約110億円)のベンチャーファンド「Zoom Apps Funds」を立ち上げました。今後どのようなスタートアップに投資していくのか注目が集まる一方で、意外と知られていないのがZoom CEO エリック・ユアン氏が同ファンドとは別にエンジェル投資家として様々なスタートアップに投資していることです。今回はエリック・ユアン氏が2021年に投資した4社のスタートアップについてご紹介していきたいと思います。

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Firstbase(米国)

新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が浸透し始めた頃、デスクワークに適した机や椅子、ディスプレイなどがないなど自宅で仕事を行う環境が整っていないことが多くの人を悩ませました。Firstbaseはそのような問題を解決するリモートワークスタートアップで、在宅勤務に必要なPCなどのIT機器から机や椅子などのオフィス機材までサブスクリプションで提供します。最も特徴的なのは従業員の自宅に手配したものを企業側で把握・管理できるよう管理プラットフォームを提供している点です。企業はFistbaseのサービスを活用することで、在宅勤務をする従業員に快適に働ける環境を提供することができます。

Firstbaseサービスイメージ(Firstbase公式ホームページより引用)

On Deck(米国)

On Deckは起業したい人や何か新しい事にチャレンジしたい人などのためのコミュニティを運営するスタートアップです。アイデアを具現化するのに成功したファウンダーを招いてその経験を聞くセッションなど様々なプログラムを参加メンバーに提供します。起業家を支援するという点ではY Combinatorなどのアクセラレーターと似ていますが、異なるのは参加者からコミュニティ参加の費用を集めてプログラムを提供するという収益モデルです。プログラムが始まったのは2018年ですが、On Deck出身のスタートアップは既に330社以上に上っています。

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Dondo(コロンビア)

Dondoは2021年4月に開催されたスタートアップの祭典Collisionのスタートアップピッチイベントでファイナリストにも選ばれた企業です。中南米では歴史的なインフレの影響で、欲しいものを通貨ではなく物と交換することが増えていますが、信頼できる物々交換プラットフォームがなく「お互いに交換する物やサービスが対等かどうかわからない」などの問題があります。そこでDondoが開発したのが、物・サービス・お金の3つを、1対1ではなくN対Nで交換するアプリです。さらに個人の信用スコアを可視化するほかユーザーのプロフィールや犯罪歴のチェックを行うなど、ユーザーが安心して取引できる場を提供することで人々の生活を支えています。

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Pento(英国)

Pentoは給与支払いを自動化するプラットフォームをクラウドで提供するHRテックスタートアップです。XeroやQuickbooksなど会計ソフトとも連携ができるほか、HMRC(HM Revenue and Customs:英国の歳入税関庁)へ支払う税金なども自動で計算をしてくれるため、給与支払いに伴う作業を外注をする必要がなくなり社内でスムーズに処理ができるようになります。

NisshoUSA注目ポイント

私が4社の中で最も注目したのが在宅勤務を支援するFirstbaseです。約1年間の在宅勤務で感じた事は在宅でストレスなく業務を行うためには、やはり仕事に適した机や椅子などの設備を整えることが必須ということです。しかしパンデミックが始まった2020年3月頃は先の予想がしづらい状況だったため、自宅の仕事環境をどこまで整えるべきが悩んでしまい、我慢をしながら在宅勤務を続けていました。もし似たような問題に直面している従業員を抱えている企業はFirstbaseのサービスを活用することで従業員に快適な在宅勤務を行う環境を提供できるかもしれません。

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この記事を書いた人

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Shuichi Noto

2008年にユニアデックス入社。5年間の大手通信キャリア向けの営業を経験した後、日商エレクトロニクスへ入社。大手OTTの情報システム部門向けにVDIやWeb会議などの働き方改革を促進するソリューションの販売に従事。2019年よりNissho USAに赴任。お客様のビジネスを共創&サポートできるようなソリューションの発掘を目指し日々活動中。担当領域はITインフラ全般、ヘルスケア業界、地域創生など。趣味はゴルフとサッカー。

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