DXを支援する注目スタートアップ 2020.01.28

【米国リテールトレンド】シリコンバレーに新登場!無人店舗プラットフォーム「Nano Store」体験レポート

Nano Store

2018年1月に米国シアトルでアマゾンのレジなし店舗「Amazon Go」が誕生してから約2年。その後米国では、AI技術や自動決済などのテクノロジーを駆使した様々な無人店舗が登場しています。そんななか2020年1月にカリフォルニア州キャンベルにオープンしたのが、米国でコンビニを展開するLoop社初の無人店舗です。

同社が採用したのが、小規模店舗向けのオートメーション店舗プラットフォーム「Nano Store」です。これは米国スタートアップのAiFi社が提供するコンテナ型の店舗で、無人店舗に必要な自動決済などの仕組みをすべて備えています。今回は、このNano Storeがどんなものなのか実際の体験を基にご紹介し、今後日本での活用可能性などについて考察したいと思います。

Nano Storeを体験してみた

2020年1月21日、オープン間もないキャンベルのLoopに行ってきました。まずは実際の店舗体験をご紹介したいと思います。

思ったより小さくコンビニだとわかりづらい

Loop社が初の無人店舗を構えたのはガソリンスタンドのShell敷地内です。しかしその住所に行ってもすぐにどこにあるのかがわかりません。並列しているお店と比べても小さく、またお店の外見が濃い灰色のため目立ちづらいためです。ユーザーがすぐにお店を見つけやすいようなお店の色、案内などの工夫があれば利便性は増すでしょう。

Nano Store

Nano Storeを採用したLoop無人店舗の1号店

二次元バーコードを活用して入店

アプリに表示される二次元バーコードを活用して入り口のロックを解除し入店します。この仕組み自体はAmazon Goと同じです。ちなみに現在(2020年1月21日時点)は店舗にスタッフが待機し、ユーザーに対して店の仕組みや利用方法を説明しています。また営業時間は平日の10時から17時までに限定されており、まだ試験段階であることがわかります。

Nano Store Entrance

Nano Store入口にある二次元バーコード読み取り機器

販売商品には飲料類とスナック類のみ

現在は飲料類とスナック類のみ提供しています。Loopの特徴であるサラダ類やホットフード類などは見当たりませんでした。まだ実証実験ということもあり、現時点では商品も限られているようです。

Nano Store

店内は飲料類とスナック類のみ販売

Amazon Goに比べて圧倒的に少ないカメラ台数

Amazon Goとの大きな違いの1つはカメラの数。Amazon Goでは天井に無数のカメラが設置されていますが、このNano Storeでは10台前後のカメラのみでユーザーの行動を認識しています。

Nano Store

天井にカメラが設置。お店全体で10台前後。

素早くレシート発行

店を出てすぐにアプリを立ち上げるとすぐにレシートが発行されていました。買ったものが一目で分かるように絵も記載されており、オート決済が誤っていないかがすぐに確認可能です。

Nano Store App

実際のレシートの画面。

Nano Store活用のメリット

実際に体験してみて、Nano Storeには企業側、ユーザー側にそれぞれメリットがあると感じました。

オールインワンで手軽に無人店舗が実現できる

Nano Storeの一番の特徴は店舗をコンテナ型で提供している点です。企業はNano Storeを活用することで、従来無人店舗を実現するために必要だった自動決済の仕組み、セキュリティーなどに対応しなくても自社ブランドの無人店舗を手に入れることができるようになりました。実際に店内はLoop商品のみを販売しており、Loopが無人店舗を実現したかのような感覚で買い物を行うことができました。

ユーザーにストレスを感じさせないアプリ

Nano Storeが導入された店舗で買い物をする際に必要になるのが、AiFi社が提供するアプリ「Wifi AutoCheckout」です。このアプリの最大の特徴はとにかくシンプルで機能が少ないという点です。余分な情報は何もなく、アプリを立ち上げるとまずは二次元バーコードが表示されるようになっているため、入店時にはアプリを起動するだけで操作自体は一切必要ありません。

レシートを確認したい時に初めてアプリ内で操作が発生するのですが、選択できるアイコンが4つしかなく、直感的にレシートだと感じるアイコンをクリックするだけでレシートを表示することができます。Nano Storeを利用するためにアプリ自体は必要にはなりますが、アプリでの操作を極力シンプルにすることでユーザーにストレスを感じさせることのない作りになっています。

日本での活用可能性

このNano Storeですが、日本で活用できる可能性は米国以上にあるのではないかと感じました。ここで、日本で考えられるコンテナ型無人店舗活用シーン案を2つ紹介してみたいと思います。

高速道路サービスエリア・サービスパーキング

現在日本ではコンビニの24時間営業について見直しが図られており、コンビニが深夜営業を停止する可能性が出てきています。深夜営業が停止することにより影響を受ける場所の1つが高速道路のサービスエリア・サービスパーキングです。配送業者などは道路が空いている深夜に高速道路を活用するため、サービスエリアでのコンビニ活用は欠かすことができません。もちろん大きなサービスエリアでは24時間営業している飲食店などはありますが、小規模なサービスエリアで24時間営業を維持し続けるためにはNano Storeのような無人コンビニが適しているのではないでしょうか。

病院

多くの病院内では日中のみ営業をしている売店やコンビニが多くありますが、深夜勤務をしている医師や看護師のために空いている売店やコンビニは少ないように感じます。常に多忙な医師や看護師にとって深夜でも手軽に軽食を購入することができる無人コンビニが病院内にあれば彼らの業務を少しでも和らげることができるのではないかと感じました。

まとめ

ユーザーを正確に認識する技術、自動決済の仕組みが今後ますます向上することで、無人店舗はより身近な存在になるでしょう。Nano Storeを体験する前までは無人店舗や自動決済について普及するかどうか懐疑的でしたが、Nano Storeでの体験で考えが一変しました。

例えばAmazon Goではユーザーの行動を認識・分析するための数多くのセンサーが仕掛けられていますが、それが実現できるのはコスト・技術の両面においてアマゾンのようなプラットフォーマーならではであり、小売企業が実現するには難しいのではないかと感じていました。しかしNano Storeはコンテナ店舗として必要なものをオールインワンで提供し、誰でもAmazon Goのような仕組みを手に入れることを実現しています。

日本ではセルフレジなどの普及により、数年前に比べると決済行為自体がとても素早くできるようになりましたが、自動決済の仕組みを備えた無人店舗はセルフレジが与えたインパクトとは比べものにならないほど大きなものになるでしょう。近い将来、日本でも必ず無人店舗が普及すると確信しました。

弊社ではイノベーティブなビジネスモデルの創出を目指して、米国企業の取り組みや斬新なスタートアップ発掘を行っています。今回取り上げたリテール業界など業界に特化したスタートアップ発掘も開始しております。是非お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

Shuichi Noto

この記事を書いた人

Shuichi Noto

2008年にユニアデックス入社。5年間の大手通信キャリア向けの営業を経験した後、日商エレクトロニクスへ入社。大手OTTの情報システム部門向けにVDIやWeb会議などの働き方改革を促進するソリューションの販売に従事。2019年よりNissho USAに赴任。お客様のビジネスを共創&サポートできるようなソリューションの発掘を目指し日々活動中。担当領域はITインフラ全般、ヘルスケア業界、地域創生など。趣味はゴルフとサッカー。

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